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自由奔放な頃 [ボブ・ディラン『クロニクルズ』]


アマゾンの洋書コーナーでボブ・ディランを検索したら、あのスーズ・ロトロさんの本がヒットしました。
表紙の写真は、アルバム"The Freewheelin' Bob Dylan"のジャケット写真より、二人がカメラに近づいているようです。

A Freewheelin' Time

"A Freewheelin' Time: Greenwich Village in the Sixties, Bob Dylan and Me"

  自由奔放な頃
  60年代のグリニッチビレッジ
  ボブ・ディランと私

画像だと副題が違いますね。

  A FREEWHEELIN' TIME
  A Memoir of Greenwich Village
  in the Sixties

「60年代グリニッチビレッジ追想録」ぐらいでしょうか。

5月13日発売予定だそうです。
こりゃ予約しないと。

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A Freewheelin' Time: Greenwich Village in the Sixties, Bob Dylan and Me

A Freewheelin' Time: Greenwich Village in the Sixties, Bob Dylan and Me

  • 作者: Suze Rotolo
  • 出版社/メーカー: Broadway Books
  • 発売日: 2008/05/13
  • メディア: ハードカバー



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ひどい雨がふりそうなんだ CHRONICLES #498 [ボブ・ディラン『クロニクルズ』]

千本浜 2008年2月17日

 →bobdylan.com: A Hard Rain's A-Gonna Fall

 ♪ Oh, where have you been, my blue-eyed son?
 ♪ Oh, where have you been, my darling young one?

 ♪ ああ、どこに行っていたの、青い目の我が息子よ?
 ♪ ああ、どこにいたの、愛しの息子よ?

      「激しい雨が降ってくる」中川五郎訳

 ♪ どこへいってたの、青い目のむすこ?
 ♪ どこへいってたの、わたしのかわいい坊や?

      「ひどい雨がふりそうなんだ」片桐ユズル訳

ひさしぶりに片桐ユズル&中山容訳の『ボブ・ディラン全詩 302篇』を引っ張り出して、五郎さんの訳と比べてみました。
ユズルさんの訳は極力漢字を使わずに、なおかつ「歌」に近い形になっているようです。

これは"A Hard Rain's A-Gonna Fall"の冒頭で、この曲はディランが演劇に影響を受けて書いたと挙げた歌の中で最後に並んでいます。
歌い出しの歌詞だとまるでピート・シーガーの「花はどこへいった」みたいだけれど、この後には、暗い、死の世界が描かれます。

狼に囲まれた新生児。
黒い枝からしたたる血。
血まみれのハンマーを持った男の一団。
武器を手に持つ子供たち。

第二連で描かれた死の映像が、第三連では音に変わります。

雷鳴の警告。
全世界を溺れさせる波のうねり。
百人の男が燃え上がる手で叩く太鼓。
千人のささやき。
どぶの中で亡くなった詩人の歌。
道化師の叫び声。

第三連は出会った人たちのことですが、ここでやっとほんの少し明るい言葉が出てきます。

 ♪ I met a young girl, she gave me a rainbow,

「虹」って何なんでしょう。

最後に、母親はこれからどうするのか、青い目の息子に尋ねます。
息子は、ふたたび暗い森の奥深くに行くのだと答えます。
そう、青年は荒野を目指すものなんです。

 ♪ And I'll tell it and think it and speak it and breathe it,
 ♪ And reflect it from the mountain so all souls can see it,
 ♪ Then I'll stand on the ocean until I start sinkin',
 ♪ But I'll know my song well before I start singin',
 ♪ And it's a hard, it's a hard, it's a hard, it's a hard,
 ♪ It's a hard rain's a-gonna fall.

 ♪ それでぼくはそのことを告げ、かんがえ、しゃべり、呼吸するだろう
 ♪ 山から反射させ すべての人に見えるようにしたい
 ♪ そして沈みはじめるまで海に立っていたい
 ♪ だけどうたいはじめるまえに自分の歌をよくわかるようになるだろう
 ♪ それで ひどい ひどい ひどい ひどい
 ♪ ひどい雨が降りそうなんだ

      「ひどい雨がふりそうなんだ」片桐ユズル訳

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The Freewheelin' Bob Dylan


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しがない一兵卒 CHRONICLES #497 [ボブ・ディラン『クロニクルズ』]

千本浜 2008年2月17日

ディランが演劇に影響を受けて作った一連の曲として挙げている4曲目が、"Only a Pawn in Their Game"です。
「pawn」はもちろんチェスの歩兵のことで、中川五郎さんは「手先」と「一兵卒」の二種に訳し分けています。

 →bobdylan.com: Only a Pawn in Their Game

 ♪ A bullet from the back of a bush took Medgar Evers' blood.
 ♪ A finger fired the trigger to his name.
 ♪ A handle hid out in the dark
 ♪ A hand set the spark
 ♪ Two eyes took the aim
 ♪ Behind a man's brain
 ♪ But he can't be blamed
 ♪ He's only a pawn in their game.

 ♪ メドガー・エヴァーズを血まみれにしてその命を奪った
 ♪ 茂みの陰から撃たれた一発の銃弾
 ♪ 自分の銃の引き金を引いた一本の指
 ♪ 暗闇の中に隠されたままのひとつの銃床
 ♪ 火花を飛び散らせた一本の手
 ♪ 男の後頭部に狙いを定めた二つの目
 ♪ だけどそいつを責めることはできない
 ♪ そいつはやつらのゲームの中のただの手先にすぎないのだから

         「ゲームの中のただの手先」中川五郎訳

冒頭で歌われているメドガー・エヴァーズ(Medgar Evers)は実在の人物です。

----------------------------------------------
Evers
n. エヴァーズ
(1) Charles Evers (1923- ) 《米国の黒人運動指導者・政治家; Mississippi 州 Fayette の市長 (1969-81) として, 兄 Medgar の遺志を継ぎ, 黒人の生活改善・地位向上に努力し多数の支持者を得ている》
(2) `Johnny' Evers [John Joseph Evers] (1881-1947) 《Chicago Cubs などで活躍した内野手, のちに監督; 通算 .270, 538 打点, 12 本塁打; 1946 年殿堂入り; あだ名は `the Crab' `the Trojan'; ⇒→TINKER-TO-EVERS-TO-CHANCE_》
(3) Medgar (Wiley) Evers (1925-63) 《米国の黒人運動指導者; Mississippi 州の NAACP (黒人地位向上協会) の中心人物として組織の拡充強化に貢献したが暗殺された》.
----------------------------------------------

上は「リーダーズ・プラス」からの引用ですが、Charles Eversの項で「兄 Medgar」と記述されているのは変ですね。
生年の数字が正しいのなら、「弟 Medgar」だと思います。

 →ミシシッピ州NAACP代表メドガー・エヴァーズの暗殺 (1963)

ただの手先と歌われた卑怯な暗殺犯バイロン・ディラ・ベックウィズ(Byron de la Beckwith)は英雄扱いされ、裁判では事実上無罪になってしまいます。
それから三十年を経た、つまりディランが「ゲームの中のただの手先」を歌ってから一世代が過ぎた1994年に、三回目の裁判でやっと有罪判決が出ます。
終身刑のベックウィズは2001年、80歳で病死します。

 ♪ But when the shadowy sun sets on the one
 ♪ That fired the gun
 ♪ He'll see by his grave
 ♪ On the stone that remains
 ♪ Carved next to his name
 ♪ His epitaph plain:
 ♪ Only a pawn in their game.

 ♪ だけど翳った日の光が
 ♪ 銃を撃った男の上に落ちる時
 ♪ 彼は自分の墓を見ることだろう
 ♪ 墓石の上
 ♪ 自分の名前の隣に刻まれた
 ♪ 墓碑銘はたったこれだけ――
 ♪ やつらのゲームの中のしがない一兵卒

確かに鮮やかな映像が思い浮かぶ、非常に演劇的な歌詞です。

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The Times They Are A-Changin'

The Times They Are A-Changin'

  • アーティスト: Bob Dylan
  • 出版社/メーカー: Sony International
  • 発売日: 2005/06/21
  • メディア: CD


The Collection, Vol. 2: Freewheelin' Bob Dylan/Times They Are A-Changin'/Another Side

The Collection, Vol. 2: Freewheelin' Bob Dylan/Times They Are A-Changin'/Another Side

  • アーティスト: Bob Dylan
  • 出版社/メーカー: Sony
  • 発売日: 2005/04/05
  • メディア: CD


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デイヴィ・ムーアを殺したのは誰 CHRONICLES #496 [ボブ・ディラン『クロニクルズ』]

千本浜 2008年1月31日

ディランが4曲目に挙げているのが、"Who Killed Davey Moore?"です。
ん?

あんまりなじみのないタイトルですね。

 →bobdylan.com: Who Killed Davey Moore?

 ♪ Who killed Davey Moore,
 ♪ Why an' what's the reason for?

 ♪ デイヴィ・ムーアを殺したのは誰
 ♪ どうして、どんなわけで?
 
        (中川五郎訳)

私も最近知った曲です。
正式に録音されたことのない曲で、「the bootle series」が出るまで、聴いたことがありませんでした。

うちにあるCDでは、"the bootle series volumes 1-3"と、vol.6の"LIVE 1964"に入っています。
それから、ニューポート・フォーク・フェスティバルのDVDに入りました。
たぶんディラン自身は気に入っている曲なんでしょう。
どうして正式なアルバムに入れなかったのか、不思議です。

 The Bootleg Series, Vols. 1-3 : Rare And Unreleased, 1961-1991

 The Bootleg Series, Vol. 6: Bob Dylan Live 1964 - Concert at Philharmonic Hall

 The Other Side Of The Mirror: Live at Newport Folk Fes

デイヴィ・ムーアは実在のボクサーです。
同名の世界チャンピオンもいましたね。
歌われているデイヴィ・ムーアは、1963年に試合中の打撃で昏睡状態に陥り、二日後に亡くなったそうです。

もう一人のデイヴィ・ムーアは1988年に自動車事故で亡くなりました。
ガレージのドアを開けるために車を降りたら、その車が動いて圧しつぶされたそうです。

 →Wikipedia: Davey Moore (1960s)

 →Wikipedia: Davey Moore (1980s)

60年代のデイヴィ・ムーアの死は、ボクシング是非論を巻き起こしたそうです。
"the bootle series volumes 1-3"のライナー・ノーツによれば、ムーアの死から18日経った4月12日、ニューヨーク・タウン・ホールのコンサートで、ディランはこの曲を歌いました。
新聞を読んで、すぐに曲を作ったのでしょう。
まさにトピカルソング。

ああ、ライナーに書いてありますね。
ライブ盤を作るためにせっかく録音までしたのに、その企画が流れて、そのままになってしまったそうです。
それで忘れられてしまったということですな。
当時のライブではよく歌っていたようで、聴衆の反応は良いです。

これは"Lonesome Death of Hattie Carroll"と並んでいても、何も違和感は感じませんでした。

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ハッティ・キャロルの寂しい死 CHRONICLES #495 [ボブ・ディラン『クロニクルズ』]

 →I Love Sunset! > 2008 #3

千本浜 2008年1月31日

 →幻泉館日録:ボブ・ディラン Live 1964

----------------------------------------------
「これは本当にあったことなんだ」と言って、ディランは歌い出す。

 ♪ William Zanzinger killed poor Hattie Carroll

ああ、何も変わっていない。
指にダイヤモンドの指輪を付けたアメリカは、貧しい国に出かけていって、ハッティ・キャロルを殴り殺す。
子だくさんのハッティ・キャロルは毎日一所懸命下働きをして、なんとか暮らしている。
それがいきなり杖で殴り殺されてしまうのだ。
裕福なアメリカはけっして罰せられることがない。
----------------------------------------------

"It's Alright Ma (I'm Only Bleeding)"と"Mr. Tambourine Man"の後に"Lonesome Death of Hattie Carroll"が続いているのに、奇異な印象を受けました。
ここで急に具象的な歌詞になってるように思ったからです。
でも、ディランの頭の中では、一連の流れの中にある同じ傾向の曲らしいのです。

ディランにとっては、並べて挙げた題名は、同じように「演劇的」な曲なのでしょう。
差別や不正に対する率直な憤りを歌いますが、ディランは社会運動家ではありませんでした。
本人の意識はあくまでも歌い手です。
象徴的であれ、具象的であれ、物語を巧く語りたいという思いが強かったのです。
そして、物語を紡ぐ名手として見習ったのがロバート・ジョンソンなのでしょう。

『クロニクルズ』の記述からは、そんな文脈が読み取れます。

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The Times They Are A-Changin'

The Times They Are A-Changin'

  • アーティスト: Bob Dylan
  • 出版社/メーカー: Sony International
  • 発売日: 2005/06/21
  • メディア: CD


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ミスター・タンブリン・マン CHRONICLES #494 [ボブ・ディラン『クロニクルズ』]

千本浜 2008年1月10日

ディランが"It's Alright Ma (I'm Only Bleeding)"に続けて挙げている"Mr. Tambourine Man"なんですが、これがまたよくわかりません。

 →bobdylan.com: Mr. Tambourine Man

リーダーズ英和を引いてみると、おもしろいことが書いてあります。

----------------------------------------------
 tambourine man
 n. 《俗》 麻薬の売人.
 [Bob Dylan の歌 'Mr. Tambourine Man' から]
----------------------------------------------

「Mr. Tambourine Man」はタンブリン奏者以外の何者でもないはずです。
少なくとも、ディランが歌うまでは。

 ♪ Hey! Mr. Tambourine Man, play a song for me,
 ♪ I'm not sleepy and there is no place I'm going to.
 ♪ Hey! Mr. Tambourine Man, play a song for me,
 ♪ In the jingle jangle morning I'll come followin' you.

 ♪ ねえ、ミスター・タンブリン・マン、ぼくのために一曲やっておくれ
 ♪ ぼくは眠くないし、行くあてもないんだ
 ♪ ねえ、ミスター・タンブリン・マン、ぼくのために一曲やっておくれ
 ♪ ジンジャカ鳴り響く朝の中、ぼくはあんたについていくよ

      (中川五郎訳「ミスター・タンブリン・マン」)

タンブリン(タンバリン)奏者に、「一曲やってくれ」と言うのも、なんだか変ですね。
音楽を聴きたいのではなくて、「ぼく」を踊らせてくれ、行動へ誘ってくれと頼んでいるのです。

 ♪ Take me on a trip upon your magic swirlin' ship
 「あんたの魔法渦巻く船に乗っけてぼくを旅に連れ出しておくれ」

 ♪ Into my own parade, cast your dancing spell my way
 「自分自身のパレードの中へと、ぼくの行く手に踊りの魔法をかけておくれ」

 ♪ Then take me disappearin' through the smoke rings of my mind
 「ぼくの心の中に浮かぶ煙の中へとぼくを消し去っておくれ」

なるほどなあ、出来合いのスラングを使ったのではなくて、ディランが作った歌によって、タンブリン奏者が麻薬の売人になってしまったわけです。
ただ、この歌に関しては、なんといってもまずThe Byrdsの演奏を思い浮かべてしまいますね。
あの12弦ギターの音が、時代の雰囲気を伝えているように感じます。

さて、"It's Alright Ma (I'm Only Bleeding)"と"Mr. Tambourine Man"が並んでいるだけなら、そんなにひっかかることはなかったのです。
なぜディランは、その後に"Lonesome Death of Hattie Carroll"を続けたのでしょうか。
言葉の象徴的用法が、違うように思うのですが。

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Mr. Tambourine Man

Mr. Tambourine Man

  • アーティスト: The Byrds
  • 出版社/メーカー: Mobile Fidelity Koch
  • 発売日: 2006/02/07
  • メディア: CD


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なんてったってアイドル [ボブ・ディラン『クロニクルズ』]

伝説は伝説。
実際に映像を見てみると、それは違うんじゃないかと思うことも多い。

 →Peter Stone Brown on Dylan at Newport

 →DYLAN GOES ELECTRIC

 →The myth of Newport '65: It wasn't Bob Dylan they were booing

1963年から1965年、ニューポート・フォーク・フェスティバルでのボブ・ディラン。
初々しい若者として登場し、熱狂的な支持を受けて偶像となり、エレクトリックサウンドで偶像を壊すディラン。

"The Other Side of The Mirror"の日本盤が出ました。
鏡の反対側。

最後の1965年は、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールでもう一つの伝説を作る、その前年です。

 ニューポート・フォーク・フェスティバル 1963~1965

CHAPTER LIST
All I Really Want To Do (7/24/1965) - afternoon workshop
[1963]
North Country Blues
With God On Our Side (with Joan Baez)
Talkin' World War III Blues
Who Killed Davey Moore?
Only A Pawn In Their Game
Blowin' In The Wind (with The Freedom Singers, Joan Baez, and Peter, Paul and Mary)
[1964]
Mr. Tambourine Man
Johnny Cash sings Don't Think Twice, It's All Right
Joan Baez sings Mary Hamilton as Bob Dylan
It Ain't Me, Babe (with Joan Baez)
With God On Our Side (with Joan Baez)
Chimes Of Freedom
[1965]
If You Gotta Go, Go Now
Love Minus Zero/No Limit
Maggie's Farm (electric)
Like A Rolling Stone (electric)
Mr. Tambourine Man
It's All Over Now, Baby Blue
Bonus Feature: Interview with director Murray Lerner

 The Bootleg Series, Vol. 4: Bob Dylan Live, 1966: The "Royal Albert Hall Concert"

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だいじょうぶだよ、ママ CHRONICLES #493 [ボブ・ディラン『クロニクルズ』]

千本浜 2007年12月15日

ディランが「三文オペラ」やロバート・ジョンソンのことを書いているのは、なぜ歌を作るようになったかという説明の続きです。

 →Chapter 5: River of Ice

----------------------------------------------
In a few years' time, I'd write and sing songs like "It's Alright Ma (I'm Only Bleeding)," "Mr. Tambourine Man," "Lonesome Death of Hattie Carroll," "Who Killed Davey Moore," "Only a Pawn in Their Game," "A Hard Rain's A-Gonna Fall" and some others like that. If I hadn't gone to the Theatre de Lys and heard the ballad "Pirate Jenny," it might not have dawned on me to write them, that songs like these could be written.

僕は数年の間に"It's Alright Ma (I'm Only Bleeding)," "Mr. Tambourine Man," "Lonesome Death of Hattie Carroll," "Who Killed Davey Moore," "Only a Pawn in Their Game," "A Hard Rain's A-Gonna Fall"といったような歌を作るようになる。もしもテアトル・ドゥ・リースに行って「海賊ジェニー」を聴かなかったら、僕がそんな歌を書こうという気にはならなかっただろう。そんな歌を書けるという気にはならなかっただろう。
----------------------------------------------

さて、数曲の歌が並んでいるのですが、どんな共通点があるのでしょうか。
ディランのマニアならすらすらと説明できるのでしょうが、ぱっと見て私にはわかりません。

曲作りというより、歌詞の内容、歌の世界の問題なんでしょう。
私はディランの「廃墟の街(Desolation Row)」や「衛兵の交替(Changing of the Guards)」といった曲が好きです。
象徴的な、何を言ってるのかしらという歌詞ですね。
そういう歌と比べると、ここに挙げられた歌は、ずっと具体的なものや物語を歌っているように見えます。

演劇的……。
ホントかなあ。
1曲ずつ見ていきましょうか。

 →bobdylan.com: It's Alright, Ma (I'm Only Bleeding)

  Darkness at the break of noon
  Shadows even the silver spoon
  The handmade blade, the child's balloon
  Eclipses both the sun and moon
  To understand you know too soon
  There is no sense in trying.

  昼になったばかりだというのに闇が覆いつくし
  豊かな富に恵まれていてもそこには翳りが
  手製のナイフ、子供の風船が
  太陽も月も覆い隠す
  理解しようとする前にすぐにわかってしまう
  やってみようとしたって意味ないことさ
  
   中川五郎訳
  「だいじょうぶだよ、ママ(ぼくはぶつぶつ言っているだけ)」

わはは、十分に象徴的、何を言っているのかしら、ですな。
まさに「Dylan is Dylan」です。

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マジックハンド CHRONICLES #492 [ボブ・ディラン『クロニクルズ』]


丸善の個人情報紛失事件に関して問い合わせの電話をかけようとしたのだが、まったく繋がらず。
形だけお詫びしておいて、まともに処理をしようというわけではないんじゃないだろうか。
個人情報保護法違反じゃないよという、アリバイ作り?

 →I Love Sunset! > 2007 #3

千本浜 2007年11月19日

Chapter 5: River of Ice

ジョン・ハモンドから発売前のレコードをもらってロバート・ジョンソンを初めて聴いてから三十年以上経って、ボブ・ディランはロバート・ジョンソンの映像を見ることになります。
8ミリで撮った、たった8秒間の映像。

----------------------------------------------
Some people questioned whether it was really him, but slowing the eight seconds down so it was more like eighty seconds, you can see that it really is Robert Johnson, has to be--couldn't be anyone else. He's playing with huge, spiderlike hands and they magically move over the strings of his guitar.

それが本当に彼なのか疑問を持つ人もいるのだが、その8秒を80秒に感じるほど速度を遅くすれば、それが本当にロバート・ジョンソンであることがわかる。そうでなければあんらない。他の誰かであるはずがない。彼は大きな、蜘蛛のような手で演奏していて、その手はギターの弦を上を魔法のように動く。
----------------------------------------------

パラパラと動く映像を見たことがあるような気がしたのですが、Googleで探しても見つかりません。
大きな手、長い指が、ネックの上を魔法のように動くのを、私も見たような気がするのです。
夢だったんでしょうか。

そういえば、昔うちにウルトラハンドというおもちゃがありましたっけ。
おお、任天堂だったんだ!

 →Happy Today

おお!
ウルトラマシンもありましたぞ。
うちの六畳間と八畳間をぶち抜いて、遊んだ覚えがありますわい。

私はファミコン以降の任天堂商品を買ったことがありませんが、花札やこういうおもちゃはおなじみでした。

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ディラン [ボブ・ディラン『クロニクルズ』]

ボブ・ディランのベスト盤がまた出るらしい。
公式サイトで派手に宣伝している。
同じタイトルで、CDが一枚のものと三枚組みのものがあるのが、不思議だ。
他に[Deluxe Box Set]というのもあるんですね。

 →bobdylan.com

そうそう、さらに国内盤にするか、輸入盤にするかということもあります。
あ、日本にもアルバムの公式サイトがあったんですね。
知らなんだ。

 →DYLAN 07

[3CD+BOOK]のデラックスなやつが、楽天市場内「あめりかん・ぱい」では国内盤6,825円、輸入盤4,990円。
この違いは大きいなあ。

【Aポイント付】ボブ・ディラン Bob Dylan / DYLAN (日本盤CD)【再来週以降発売】

【Aポイント付】ボブ・ディラン Bob Dylan / Dylan (3CD + Book) (Collector's Edition) (輸入...

dylandelux.jpg

アマゾンだと輸入盤[Collector's Edition]は3,929円。
さらに安いな。
輸入盤は10月1日発売で、日本盤は10月24日発売。
だいぶ早いな。
これにするか。
ギフト券もあるし。

9条を殺すな!

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Dylan

Dylan

  • アーティスト: Bob Dylan
  • 出版社/メーカー: Sony BMG
  • 発売日: 2007/10/01
  • メディア: CD


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