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City of Glass / My Best MD [書籍と雑誌]

昨日書いたポール・オースターの小説の書き出しですが、日本語訳を書けという声があるので、一応試訳。

といっても、誰がやってもあまり変わらない訳になります。

せっかくだから注釈付けます。



> It was a wrong number that started it,

これがあの強調構文。

"It was"と"that"をとりはずすと、"A wrong number started it"となりますね。

「ある間違い電話がそれを始めた。」

強調構文なんでお約束通りに後ろから訳し上げてみます。

「それを始めたのは、ある間違い電話だった。」

無生物主語が気になる場合は主語を副詞的に訳してみましょう。

「それが始まったのは、ある間違い電話からだった。」



> the telephone ringing three times in the dead of night,

これがあの独立分詞構文。

日本語でも本当は適当にぶらさげておきたいところですが、一応ちゃんとS+Vが整った形に変換。

「電話が三回鳴った」

"in the dead night"で一旦ためらいましたか?

「死」は"death"ですよ、"dead"は本来形容詞の「死んでいる」で、"the"を前に付けると「死者」の意味でもよく出てきますね。

映画のタイトルになった"the quick and the dead"は「生者と死者」になります。

ここでは違う意味で、「寒さ・静寂・暗闇の最たる時」です。

何のことはない、"in the dead of night"で「真夜中に」。

「真夜中に電話が三回鳴った。」



> and the voice on the other end asking for someone he was not

"on the other end"の"end"は端っこ。

だから「電話の反対側で/電話の向こうで」です。

おお、ここも独立分詞構文だ。

"asking for"は「要求した」。

"someone"の後ろには関係代名詞が省略されていて、「彼ではない誰か」。

ベタベタ訳すと「そして、電話の向こう側の声は彼ではない誰かを要求した」。

あんまりな日本語なので、「電話の向こう側の声は、彼ではない人物と話したがっていた」ぐらいでしょうか。



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It was a wrong number that started it, the telephone ringing three times in the dead of night, and the voice on the other end asking for someone he was not.



それが始まったのは、ある間違い電話からだった。真夜中に電話が三回鳴った。電話の向こう側の声は、彼ではない人物と話したがっていた。






「マイベストMD」2003年9月版を作成。

今回のテーマは、ギターを弾きながら歌う曲。



「マイベストMD」2003年9月版

1. Heart of Gold (Neil Young)

2. Like a Hurricane (Neil Young)

3. My Back Pages (Bob Dylan)

4. I Shall Be Released (Bob Dylan)

5. For Adam (Jackson Browne)

6. Rock Me on the Water (Jackson Browne)

7. 万物流転 (頭脳警察)

8. マーラーズ・パーラー’80 (PANTA&HAL)

9. 冬のサナトリウム~サルビアの花 (あがた森魚)

10. 私は地の果てまで (五つの赤い風船)

11. 時は流れて (中島みゆき)

12. 誰のせいでもない雨が (中島みゆき)

13. 流星 (吉田拓郎)



自分で言うのもナニですが、これは相当ヘンです。

たとえばこれに友部正人、RCサクセションを付け加えたいなどと思っていたのですが、男声ボーカルがことごとく変な声。

(もちろんSimon & GarfunkelやJohn Lennonだって入れてもいいのですが。)



しかし、こうしてみると実にきれいきれいな声が苦手なのだとわかりました。

ああ、中山ラビさんも入れたかった。

ということで、早晩続編を作ることでしょう。



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