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はじめにロゴスがあった [書籍と雑誌]



聖書


すぐに取り出せる聖書を引っ張り出してみた。
「ヨハネによる福音書」の冒頭はこうなっている。


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初めに言(ことば)があった。言は神と共にあった。言は神であった。
      新共同訳・ヨハネによる福音書

太初(はじめ)に言(ことば)あり、言は神と偕(とも)にあり、言は神なりき。
      文語訳・ヨハネ傳福音書

In the beginning was the Word, and the Word was with God, and the Word was God.
      HOLY BIBLE NEW REVOSED STANDARD VERSION: THE GOSPEL ACCONDING TO JOHN
――――――――――――――――――――――


これが、田川建三さんの訳だとこうなる。


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はじめにロゴスがあった。そしてロゴスは神のもとにあった。そして神であったのだ、ロゴスは。
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なぜ「ロゴス」なのか、なぜ倒置法を用いて訳したのか、註の該当部分は、7ページ以上にわたっている。
うん、やっぱりおもしろいな。
このロゴス讃歌はご存じ旧約聖書創世記の冒頭を下敷きにしているけれど、ヨハネ福音書の中心思想ではないよと、いきなり釘を刺してくれる。


――――――――――――――――――――――
ま、ともかく、「ヨハネ福音書のロゴス思想は……」などと知ったような顔をしてものを言うのだけはおやめになった方がいい。
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あはは、田川節。
これが楽しいんだよな。

当初の予定ではいわゆる公同書簡も同じ巻に入る予定だったが、註がふくらんだんですね、構成が変わって一巻増えてしまいました。
まあ、楽しみが増えたということで。

そうそう、アマゾンさん、帯が破けてたでぇ。
ぷんぷん。

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