スリーマイル島 #2 [わが町]
ヘリコプターの飛ぶ音が不気味だ。
とてもたいせつなことをよく忘れてしまう。
いや、本当は覚えているのに、目をつぶって見ないんだ。
そして忘れたふりをする。
阪神淡路にしても、今回の大地震にしても、自分が被災者になっていたかもしれないできごとと感じています。
→幻泉館日録:満月の夕 #5
→幻泉館日録:満月の夕 #4
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私が暮らしている土地は、もう三十年も前から大地震が来ると言われている。
夕陽の沈む静かな海が、いつ突然大きな津波に変わり、人々を飲みこむのかわからない。
圧し潰され、焼かれ、凍えた人たちの中に、私や母がいなかったのは偶然でしかない。
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→幻泉館日録:満月の夕 #3
→幻泉館日録:満月の夕 #2
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それはまた明日、突然やってくるのかもしれない。
瓦礫の中で助けを求めて、焼け死ぬのは私だ。
疲れきって仮設の中で孤独な死を迎えるのは、私の母だ。
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→幻泉館日録:スリーマイル島
→京都精華大学:中尾ハジメ『スリーマイル島』全文
→中尾ハジメ『スリーマイル島』
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