13円50銭 [音楽]
→幻泉館日録:中山ラビ「13円50銭」
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地震の噂があったりすると思いだすのが、このアルバムに入っている「13円50銭」。
「50銭」の部分は「コチーセン」と発音して歌っています。
これは関東大震災(1923年)の際に朝鮮人が大勢虐殺されたことを歌っているのね。
見慣れぬ人が通り掛かると(つまり被災者ね)、「13円50銭」と言ってみろと問い詰めて、「日本語」らしく発音できない者を朝鮮人だとして、なぶり殺しにしたのです。
当時の地方出身者はいわゆる「標準語」を話すことができない者が多かったので、間違って殺された日本人も多いらしい。
もちろん中国人はアウトで、紅毛碧眼ならセーフなわけだ。
ひどい話でしょ、これ史実です。
一応「不逞鮮人が井戸に毒を投げ込んだ」というデマのために、地域社会の自警団が行なったということになっています。
震災後にこのようにして殺された被害者の数は約6千人とも言われています。
なんと阪神淡路大震災での死者に匹敵する殺人が行なわれたのでありますよ。
もっとすごいのは、これが自然発生的なデマではないということです。
震災当時の治安担当者(内務大臣・内務省警保局長・警視総監)が戒厳令を発令する口実として「朝鮮人暴動」をでっちあげ、意図的にデマを流したのです。
震災の数年前、1919年の三一独立運動がその伏線としてあります。
殺人は日本軍が直接手を下したケースも多かったようですが、情報操作によって踊らされた「普通の人々」もかなりの人数の朝鮮人をなぶり殺しにしています。
被災者の救出よりもまず治安維持に利用することを、当時の政治家や官僚が考えたのです。
中山ラビさんの「13円50銭」は、迫って来る「普通の人々」と向かい合う朝鮮人の側に視点を置いて、自分の心象風景を歌うという、不思議な歌になっています。
この歌、今どきの若い衆には詳しい解説がないと何のことだかわからないだろうね。
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「中山ラビ/13円50銭 」
いわゆるネット右翼を見かけなくなったのでてっきり滅んだと思いこんでおりました。
違うのね。
今はTwitterで悪意に満ちた卑劣な書き込みを繰り返してるんですな。
地震の後、やけに館野さんに因縁つけてるやつがいて気づいた次第。
【拡散希望】みたいなのが多かったです。
Twitterには、ブロックという設定があるんですね。
こういう時にデマを撒き散らすなんて、最低。
逆恨みの人生を送る、とても寂しい人たちなんでしょう。
ま、実に迷惑なので、気づいたらすぐにブロックしておこう。
→地震のどさくさに差別をたれ流す人々
→東北地方太平洋沖地震の直後に広がった人種差別と「レイプ多発」というデマ
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