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総括 [映画]

テアトル新宿 2008年3月16日

少し前に買ったのだが、映画を見るまで我慢しようとしまっておいた本を引っ張り出して、ぱらぱらと眺める。

 さらぎ徳二役:佐野史郎
 遠山美枝子役:坂井真紀
 牟田泰子役:奥貫薫

役者さんの名前ですぐにわかったのはこの三人ぐらいか。
71年8月、印旛沼で殺害された早岐やす子役は、元水泳選手の田島寧子さんだというので、びっくり。
そういえば、社会学者の宮台真司さんもちょっと出てきたな。

映画のナレーションは原田芳雄さん。
さすがに声が年を取ったようだ。
68歳だものな。
ジム・オルークの抑えた音楽に乗って新左翼史を淡々と語る。
ここは非常にテンポが良くて、時間を忘れる。

ドキュメンタリー映画を観ているような錯覚に陥るのだが、時々挟まれるドラマで我に返る。
たぶん現実の重信房子さんは、もっとずっとかっこよかったのではないだろうか。
時々出てくる酒場のシーンは、過去の若松映画のようだ。

そう、これは若松孝二監督が現実を再構成したドラマなのだ。
すべてが事実ではない。
しかし、たとえば『突撃せよ!「あさま山荘」事件』を正史にしてしまわないために、必要な映画だろう。

塩見議長を演じる役者さんが「世界革命戦争宣言」を読み上げる。

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君たちにベトナムの仲間を好き勝手に殺す権利があるなら、われわれにも君たちを殺す権利がある。君たちにブラック・パンサーの同志を殺害し、ゲットーを戦車で押しつぶす権利があるのなら、われわれにも、ニクソン、佐藤、キッシンジャー、ドゴールを殺し、ペンタゴン、防衛庁、警視庁、君たちの家々を爆破する権利がある。
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ああ、PANTAさんが頭脳警察でやってたなあ。

連合赤軍関連図書

山岳ベースでのシーンは、延々とあの総括要求と死刑が続く。
残酷で陰惨な場面だが、予想よりもずっと押さえた演出だった。
既に関係者の著書を中心に、その場面の知識を持っていたので、そんな感想を抱いた。
何の前知識もなしに見たら、かなりのショックを受けていたかもしれない。

監督は、もっともっと時間が欲しかったのではないだろうか。
上映時間の制約がなければ、観客はその辛い苦しい時間をもっと実感できたはずだ。


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