黄砂に吹かれて #3

今日は平日のお休み。
山中にある大菜園へ生ゴミを埋めに行くぐらいしか用事なく、のんびりできた。
好天なのだが、西の空がぼんやりしているのは、春霞か黄砂か。

タクラマカンの夕陽を分けてもらったような気がすると言ったら、怒られるのかしら。
米軍の劣化ウラン弾にはとても寛容で優しいのに、黄砂の飛来には厳しい言葉を投げつけるといった輩が多いからなあ。

　→I Love Sunset! > 2008 #6



夕方、浜に出た。
公園の駐車場に車を止めると、先に停車していた車の助手席からおばさんがこちらをじろじろと見る。
失礼なやっちゃなあ。
いい歳して、何なんだあれは。
湘南ナンバーのトヨタ車。

写真を撮っていると、運転席からおばさんの相方がカメラと三脚を持って降りてきた。
ああ、夕陽の写真を撮りに来たのか。
会社を退職したぐらいの年齢か。
車はRV車なんだが。

おじさんは場所を決めたら動かない。
たぶん長いレンズで太陽が海に入るところだけを撮りたいのであって、風景はあまり関係ないのだろう。
で、それからずっとおばさんがうるさいのだ。
雲がどうたら、あっちに動けばこうたら。

平日の夕刻なので、仕事の途中で日の入りを見に来たような人が多い。
時計を気にしながら、でも一人でじっと日没を眺める。
平日は静かな公園なのだ。
おばさんの声だけが響きわたる。

「思ったほどじゃなかったわねえ」

何を思ってらしたのか、太陽も、雲も、夕焼けも、毎日全然違うのだが。

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