見送りの後で [書籍と雑誌]
樹村みのりさんの新刊が出てるよと教えていただいたので、早速購入した。
いやあ、樹村さんの新刊なんて、ずいぶんひさしぶり。
嬉しいなあ。
帯を見て、おやおやと思った。
「感動の巨匠」は変じゃないかな。
手垢の付いた「感動の巨編」という言い方はよく見掛けるけど、「感動の巨匠」かあ。
感動作品を描く巨匠という意味なんだろうな。
オウム真理教で「修行の天才」という言い方をしていたのを思い出した。
どうもしっくり来ない。
短編集です。
最初にあるのが、表題作「見送りの後で」。
母親が亡くなった後の主人公・洋子の心の動きを辿っていきます。
「来るべき時」が来た時に、後悔することなく見送ることなどできないだろう。
親孝行なんか、できないものなんだな。
そんなことを考えながら淡々と洋子の思いに付き添っていって、そして洋子がこみあげた時、一緒に貰い泣きしました。
紛れもない、これは樹村みのりさんの作品です。
ああ、樹村さん、変わらないでいてくれたんだ。
1976年に発表した「星に住む人々」を、三十年以上経った2007年に描きなおすとは、本当に驚きました。
樹村さんの心の中で、ずっと同じテーマが生き続けていたということですね。
見送りの後で (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス) (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)
- 作者: 樹村 みのり
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2008/01/11
- メディア: コミック
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