ひとりの手 CHRONICLES #460 [ボブ・ディラン『クロニクルズ』]
いきなり大メジャー(こういう言葉遣いは間違いね)レコード会社コロンビアからレコードを出すことになったのは、やはり僥倖と言って良いのでしょう。
お髭で笑顔のミッチ・ミラーといった、トップ・アーティストを抱えていたレコード会社なんですから。
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What put me there amongst that crowd came about because of John Hammond. John had first seen and heard me at Carolyn Hester's apartment.
僕がその人たちの中に入れたのは、ジョン・ハモンドのおかげで起きたことなのだ。ジョンはキャロリン・ヘスターのアパートで僕と初めて会って、歌を聴いた。
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出ました。
懐かしい名前ですね。
この本の最初の方に出てきた超大物プロデューサー、ジョン・ハモンドです。
つまり、やっと話が振り出しに戻るわけで、『ボブ・ディラン自伝(CHRONICLES VOLUME ONE)』も終わりに近づいてきたことがわかります。
ちょこちょことメモを続けて、もう丸二年以上が経ってしまいました。
私が書くスタイルもだいぶ変わりましたね。
良い日本語訳も出たので、読んでくださってる方も減ったようですが、本当に面白い本なので、ぜひディランの言葉に直接触れることをお勧めします。
キャロリン・ヘスターという人を知らないので、やっぱり検索します。
Googleのおかげで、このブログは続いています。
→Carolyn Hester's Welcome Page
堂々たるフォーク・シンガーですね。
おっとっと、私はキャロリン・ヘスターの歌が入ったCDを持っておりました。
"Seeds: The Songs of Pete Seeger, Vol. 3"
→わたしが一番きれいだったとき #4
ピート・シーガーの「わたしが一番きれいだったとき(When I Was Most Beautiful)」がどんな曲なのか聴きたくて買ったCDです。
この中で「ひとりの手(One Man's Hands)」を歌っているのがキャロリン・ヘスターでした。
そういえば、この「ひとりの手」の原曲がどれだけ具体的に戦う歌であったかということも書きましたね。
私の手だけじゃ牢屋は壊せない
私の声だけじゃ彼らに届かない
私の力だけじゃ原爆は止められない
私の力だけじゃ人種差別は破れない
私の力だけじゃ組合は作れない
私の足だけじゃこの国を横断できない
私の目だけじゃ未来をはっきり見ることはできない
「みんなが力を合わせれば何かができるよ」というようなことを歌っているのではないのです。
管理上手な中学校の文化祭ではありません。
ブルーズが好きな、黒人差別主義者の肌の色は真っ黄色、みたいなのがいるのは、こんなところから来てるのではありませんかね。
明治維新で和魂漢才から和魂洋才に変わって、でも、元々和魂なんてないんじゃ、元の魂殺すだけ。
ほい、書き過ぎた。
キャロリン・ヘスターね。
上記サイトに、ディランと一緒に写った写真があります。
ディランも書いていますが、キャロリンのレコーディング用バンドです。
右側でウッドベースに片腕掛けてるのがビル・リー(Bill Lee)で、スパイク・リー監督のお父さんだそうです。
言われてみればそっくりですね。
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