犬儒派だもの [書籍と雑誌]
ずいぶんひさしぶりに呉智英さんの本を買った。
「人権真理教」などと言ったりするものだから、近頃はいわゆるネット右翼あたりに人気があるのかもしれない。
以前は池袋の芳林堂で立ち読みしている呉智英先生をよく見かけた。
残念ながら地下鉄のごみ箱を漁っているところは目撃したことがないのだけれど、その後お元気なんでしょうか。
呉智英さんの名前を最初に見たのは、1973年のことだったと思います。
筑摩書房から出ていた雑誌『終末から』。
連載の「集沫字解」を読んで、どんな人が書いているのかしらと不思議に思いました。
どこまでマジメなのか、冗談なのか、よくわからないところが魅力だったのは、今も変わっていないようです。
「第二章 わが師、わが友」の水木しげるさんに関する部分を読んでいるのだが、とてもおもしろい。
呉智英先生が初めて読んだ水木マンガが「テレビくん」だったのは意外。
下井草の大衆食堂で出会ったそうだ。
掲載された『別冊少年マガジン』1965年8月号を、私は小学校の夏休み中に繰り返して読んだ覚えがある。
駐在さんをしていた伯父の家に泊まりに行っている間に読んだのだから、間違いない。
呉智英先生は「これは民衆に忍従を説いたマンガではないのか」と不快なものに思ったそうだ。
小学生だった私は、テレビの映像の中に入り込めたらいいなあと、無邪気にうらやましく思ったのでありました。
コメント 0