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旅立ち CHRONICLES #420 [ボブ・ディラン『クロニクルズ』]

千本浜 2005年8月31日

 →Chapter 5: River of Ice

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Eventually, it was time for me to get out of Minneapolis. Just like Hibbing, the Twin Cities had gotten a little too cramped, and there was only so much you could do. The world of folk music was too closed off and the town was beginning to feel like a mud puddle.

ついに僕がミネアポリスを出ていくべき時が来た。ヒビングとまったく同じように、ツインシティズも窮屈になったので、できることは本当にごくわずかなことだけになってしまった。ここのフォーク音楽の世界が狭苦しくて、街を泥だらけの水たまりのように感じ始めていた。
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先に挙がったフォーク仲間はごく人数が少なかったので、ディランはすぐに停滞した雰囲気を感じるようになりました。
もっとたくさんのことを吸収できる刺激的な人に巡り遭いたかったのでしょう。
まだ高校を出たばかり。

この感じはよくわかります。
のどかな県のんびり市で暮らしていた高校生の私も、早く東京へ出たいものだと思っていました。

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New York City was the place I wanted to be and one snowy morning around daybreak after sleeping in the back room of the Purple Onion pizza parlor in St. Paul, the place where Koerner and I played ... with only a few tattered rags in a suitcase and a guitar and harmonica rack, I stood on the edge of town and hitchhiked east to find Woody Guthrie.

ニューヨークが僕の行きたい場所だった。コーナーと僕が演奏した、セントポールにあるパープル・オニオン・パーラーのバックルームで眠ってから、ある雪降る夜明けに……わずかなぼろ服だけ詰め込んだスーツケースと、ギターとハーモニカ・ホルダーを持って、僕は町外れに立って、ウディ・ガスリーを見つけるためにヒッチハイクで東へ向かった。
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ああ、いいですね。
かっこいいです。
いよいよディランの旅立ちです。
ミネアポリスでは、まだディランはディランになることに成功していません。

ニューヨークへ向かう車が雪原の中を走る間、ディランはジャック・エリオットとジョーン・バエズのぼんやりとした影(looming shadows)を見ます。
ニューヨークには、本当にジャックとジョーンがいるのです。

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However true that might have been, I, too, had the axe in my hands and needed to tear out of there, head off to where life promised something more--felt that my own voice and guitar would be equal to the situation.

それがどれだけ本当のことであったかわからないが、僕もまた手に斧を持っていて、そしてそこを切り開いてもっと大切なものが約束されたところへ向かわなければならないのだ。僕の声とギターはそんな状況をやっていけるのだと感じながら。
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今の日本では死語になっていると思いますが、ほとんどまさに青雲の志です。
一歩間違えば「男おいどん」なんですが、この青少年がニューヨークで本当にボブ・ディランになるということを私たちは既に知っています。

さて、いよいよ"CHRONICLES VOLUME ONE"も冒頭のニューヨークへ話が戻ることになります。
ただいまp.258です。

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