ふくろう [映画]
ワールドカップの録画も見なきゃいかんし、ウディ・ガスリーのCDも聴かなきゃいかん、佐々木昭一郎さんのドラマもたまってる、いくら時間があっても足りないわ。
でも、映画など観てしまった。
日本映画界現役最高齢、新藤兼人監督の『ふくろう』(2003年)。
1980年ごろ、破綻した開拓村に残った母と娘が餓死しそうになり、結局男を次々に殺して金を奪うという喜劇。
そう、ブラックコメディなのだ。
大竹しのぶと伊藤歩が演じる母娘が暮らす廃屋のような一軒家が舞台。
そこを訪れる男たちが次々に殺される。
もちろん殺人はリアルな描写ではなく、演劇的に様式化されている。
屍体を運ぶ時に母娘が歌うのが、「花」。
♪ 泣きなさい 笑いなさい
おもしろうて、やがて悲しきシリアルママ。
クライマックスでは、母娘が希望ヶ丘開拓団の歌を歌う。
架空の希望ヶ丘村の荒涼とした土地は、決して作物を実らせることがなかった。
満蒙開拓団、三里塚・芝山、ドミニカ移民訴訟。
この国の棄民はまだ続く。
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