ダイヤの指輪を買ってよ CHRONICLES #399 [ボブ・ディラン『クロニクルズ』]
ここでディランは妙な決心をします。
ガスリーの曲以外歌わない。
この時には既にミネアポリスやセントポールで歌ってお金を貰っていたのですから、ちょっと不思議な感じがします。
お気に入りだったけれどしばらくの間歌わなくなった曲としては、こんな曲名を挙げています。
"Cornbread, Meat and Molasses"
→Cornbread Meat & Molasses by Sonny Terry
トウモロコシパンと肉と蜂蜜は南部の主食だったけれど、野菜が不足しがちになるといったことが書いてありますね。
これと鉱山の粉塵で肺をやられるのだと。
"Betty and Dupree"
→Betty and Dupree
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歌のモデルになったのは1922年9月にジョージア州アトランタで絞首刑になったFrank Dupreeという人物である.Frank Dupreeの罪状は宝石店での強盗殺人らしい.歌の方ではデュプリーは恋人のベティにダイアモンドの指輪をせがまれ,宝石店に押し入った,というような物語になっている.盲目の恋を題材にした歌詞にしても,メロディーにしても哀れを感じさせるところが長い間歌われてきた理由だろうか.
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Betty and Dupree - Chuck Willis
前年の「C.C.RIder」以来のTop40ヒットということになる。Chuck Willisのシャウトが印象的なブルース・ナンバーで、のっけからBettyはDupreeに、「ダイヤの指輪を買って」とくりかえし、Dupreeは「何でも買ってあげるよ」と約束する。しかしそのあとの展開は...ということで、物語歌なのだが、この歌、けっこういろいろなバージョンがあるようで、展開もそれによって異なったものがあるようである。この辺、よく分からなかったので、もし知っている人がいたら教えてほしい。ともあれ、最高位33位と、仕掛けの大きな割に伸び悩んだ印象も強い。
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ブルースの定番ということですが、いかにもディランの好きそうなバラッドですね。
ああ、PP&Mも歌ってました。
→今月の一枚:Peter, Paul and Mary "SEE WHAT TOMORROW BRINGS"
"Pick a Bale of Cotton"
→Pick a Bale of Cotton
労働歌ですね。
"a bale of cotton"は綿花の1梱で、重さが500ポンドだそうです。
1ポンドが常衡で454gなので、227kg。
日本なら米俵で歌うところでしょうが、だいぶ重さが違いますね。
ディランがこういう歌を歌っていたというのはちょっとおかしいですが、やっぱり修行中ですからね。
まだ二十歳前だし。
そして、こういうお気に入りの曲を一旦捨て去ることにしたのです。
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