ナイフのように CHRONICLES #229 [ボブ・ディラン『クロニクルズ』]
ディランは外界からの刺激で歌を作る詩人なんですね。
例の"Political World"も、現代のできごとがきっかけだったかもしれないと書いています。
大統領選挙が過熱していたので、その情報がいやでも耳に入ってきたのだそうです。
1988年の大統領選挙……ブッシュvsデュカキスですね。
そんなに盛り上がったんでしょうか。
あ、パパ大統領の方です。
その次の1992年にクリントンがブッシュに勝ちました。
しかし、パパブッシュが大統領にならなければ、今のこの戦争もなかったでしょうにね。
誰が当選しても同じ、なんてことはないんですよ。
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The song is too broad. The political world in the song is more of an underworld, not the world where men live, toil and die like men. With the song, I thought I might have broken through to something.
この歌が歌っている範囲は広すぎるものだ。この歌の政治的世界とは、人が人らしく生きて、苦労して、死ぬ世界のことではなく、ある地下の世界のことをより多く歌っている。この歌のおかげで、僕はあるところへ突破できたのかもしれないと思った。
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この歌のおかげで、ディランは眠りから目覚めることができたようだったと言っています。
前にも書いたように、元の歌詞は二倍ぐらいありました。
その削った部分が少し書いてあります。
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We live in a political world.
Flag flying into the breeze.
Come out of the blue
-- moves towards you
-- like a knife cutting through the cheese.
僕たちは政治的世界に暮らしている。
そよ風の中にはためく旗。
はるかかなたから現われて
君の方へ動く
チーズを切るナイフのように
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恐いです。
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