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夜明けのコーヒー [日常雑記]

セブンイレブンに寄ったら、淹れたてコーヒーといったものが復活していた。
懐かしいな。
今は本当にその場で淹れてくれるんだろう。

私が学校を出てちゃんと就職もしないままセブンイレブンの深夜バイトで暮らしていたころは、サーバで温めたままだった。
本来は一時間半で捨てることになっていた。
そんなにもつわけはない。
15分もすればとてもまずいものになっていた。
深夜は3時間ぐらい放っておいた。

明け方配送で回ってくるおじさんが、いつも私が店番をしているところでコーヒーを飲んでくれた。
できればその直前に淹れてあげようと工夫したのだが、結構ドタバタとやる仕事が多いので入れ替える時間がなくなって、古いコーヒーを出す時もあった。
とても申し訳ないと思ったものだ。

今でこそ東京では大手スーパーが24時間営業をするようになってしまったが、当時は夜中に開いている店がまだ少なかった。
だから、通常の生活サイクルから外れた奇妙なお客さんがやってきたものだ。
胸にネームプレートを付けているので、ご指名でやってくる人もいた。

前にも書いたと思うが、明け方に居所がなくてやってくるおじいさんがいた。
お金がないので買い物はしない。
家の者の愚痴を延々と聞かされる。
このご老人は私がアルバイトを辞めた後、「ゴーシュ君(仮名♂二十代の私)に」と言って、古い雑誌の束を置いていった。

服部之総さんが書いていたりするのだが、講座派ということで名前を覚えた学者が通俗的な歴史雑誌に寄稿しているのが不思議だった。
雑誌はカビだらけだったので、すぐに捨てなければならなかった。

そうだ、コーヒーだ。

バイト仲間がひどい侮辱的な形容詞を付けて呼んでいるおばあさんがいた。
皮膚がまだらに黒く変色していて、古いコートを羽織ったりしている。
言っていることもおかしいのだが、時々している濃い化粧が一番奇妙だったろうか。
「コーヒー」と言われて紙コップのコーヒーを出すと、インスタントはどこだと言う。
ゴールドブレンドの小瓶を買うと、その場で紙コップのコーヒーの中に、インスタントコーヒーの粉を足して混ぜるのだ。
小瓶の半分ぐらいを入れて、それをすする。
見ていて気持が悪かった。

「夜明けのコーヒー」という印象的な言葉は、ピンキーとキラーズのヒット曲「恋の季節」(1963年)に登場したもの。
作詞が岩谷時子さんで、作曲がいずみたくさん。
まだ東京オリンピックの前なのだ。

私はまだ小学校低学年だったが、小さな頃から過剰にフェミニンなものが嫌いだったのでピンキー(今陽子)さんが好きだったと思う。
今見るとかえってエッチな感じがするかもしれないけど、ピンキーさんは当時とてものびやかで健やかなイメージだったのですよ。

 →「恋の季節」

【追記】
 五黄の寅兄いの指摘で間違いに気づきました。
 1968年の作品で、私は小学校高学年です。
 東京オリンピックよりもずっと後、メキシコオリンピックの年です。
 とほ。

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