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春婦伝 [映画]

6月14日付の東京新聞「筆洗」では中山文科相の発言を採り上げて、日本の戦争体験の風化を語っている。

 →東京新聞「筆洗」
 (朝日の「天声人語」みたいなコラムね)

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ソ満国境・孫呉の師団司令部近くにあった慰安所の門には「満州第何百何十何部隊」の大きな標札がかかり「誰の目にもそれが軍の関与する施設であることは明らかであった」

安岡章太郎『歴史への感情旅行』(新潮文庫)所収「白い脚の記憶」
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田村泰次郎『肉体の門』は、これは「戦後」を描いたもの。
1964年に鈴木清順監督が映画化したものが有名だ。
清順さんは翌1965年に『春婦伝』も映画化しており、こちらの方が従軍慰安婦のお話。
どちらも野川由美子さんの演技が鮮烈な印象を残す。
「鈴木清順50周年プロジェクト」の一環として、『春婦伝』のDVDも発売されるらしい。

谷口千吉監督、黒澤明脚本、出演が池部良、山口淑子という『暁の脱走』(1950年)も、原作は同じ『春婦伝』である。

もちろん直接経験などしていないが、どんなことが行なわれていたのかは、70年代ごろまでは誰もが知っていたのだ。

今、文部科学大臣が率先して、自明の理であった事実を消そうとしている。
「そもそも従軍慰安婦という言葉はなかった」

無知で言っているのではない。
無恥なのである。

無責任な挑発的言動を繰り返すうちに、それを事実と勘違いする者も出てこようというものだ。
大臣として不適格と言わざるをえない。

深夜に繰り返して流している報道番組では、普通のニュースでカットされる映像も流れる。
「勉強会を繰り返してますから」
法務大臣が何度も言う言葉だ。
法務などまったく知らないから、一所懸命勉強しているのだそうな。
恥知らずな文部科学大臣よりまともに見えてしまうのだが、大臣としては明らかに不適格である。

この辺でやめておくが、これが今の内閣なのだ。

 →田村泰次郎選集(第2巻)応召から敗戦直後まで

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