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日没する処の天子 [日常雑記]

千本浜 2005年1月28日

二月の祝日というと、「建国記念の日」だ。
影が薄いね。
これを「建国記念日」と間違えている人も多い。
日本国の建国とは一切関係がないので、「記念日」ではないのだよ。

 ♪ 雲に聳ゆる高千穂の
 ♪ 高根おろしに草も木も
 ♪ なびきふしけん大御世を
 ♪ 仰ぐ今日こそたのしけれ

大根おろしを想像してはいけません。
「お正月」でもありません。
明治時代に作られた「紀元節」という歌です。

前に書いたのだが、臣民が祝わなければならない「国家の祝日」があったころ、「紀元節」は祝日だった。
つまり、明治国家の祝日が紀元節です。

 →五つの赤い風船『ゲームは終わり』(1972年)

神武、綏靖、安寧、懿徳……
おっ母さんの世代が暗記させられた歴代天皇の諡号だが、最初の方は実在しなかったようだ。
欠史八代を飛び超えて、ハツクニシラスの応神天皇が神武天皇と一致する。
つまり、同一人物のようだ。

なぜそんな操作を行なったのかというと、神話と史実と間に緩衝地帯を設けなければ、ウソが丸見えになってしまうからではないだろうか。

紀元節は、古代の伝説を復活させて国家の祝日としたもの。
国家統合のためにこんなばかげたものを利用するなんて、やっぱり人間はあまり賢くない生き物なんだな。

「建国記念の日」は妥協の産物です。
1966年に政令で定められたのだが、史実に基づく建国の日とは関係なく、建国されたという事象そのものを記念する日であるという考えによるものであるということになり、「の」の字が入りました。

神武天皇が「辛酉年春正月」に即位したなんてことはありえないので、かえって「の」の字を取ってしまった方が、日本国のばかばかしさが露になって良かったのかもしれませんなあ。
明治政府の説明では、B.C.660年。
あの卑弥呼がA.D.3世紀のことなんだから、まったくばかばかしいでしょ。

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