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CHRONICLES #28 (Bob Dylan) [ボブ・ディラン]



千本浜 2004年12月8日




ディランはそのころまで、書物や作家に夢中になったということはなかったのだが、物語は好きだったと言っています。

mythical(神話的な、伝説的な、架空の)といった語を何度も使って、昔お気に入りだった物語に触れています。



エドガー・バロウズ(Edgar Rice Burroughs)

 裸のランチじゃありませんよ、ターザンです。

 →TARZAN

  

ルーク・ショート(Luke Short)

 19世紀のガンマンではなくて、1975年に亡くなった西部劇作家だと思います。

 →Luke Short (Frederick Dilley Glidden)



ジュール・ヴェルヌ(Jules Verne)

 →Jules Verne Page



H.G.ウェルズ(H. G. Wells)

 →H.G.ウェルズ(1866-1946)



1950年代の中学生が夢中になって読んだ大衆小説という感じですね。

少年ディランはこういう読み物が好きだった。



私も中学生ぐらいの時にフレデリック・ブラウンを読んで、もう少し大きくなってからP.K.ディックに進んだりしたのでした。

ああ、図書館にあった「SFマガジン」で筒井康隆さんの連載『脱走と追跡のサンバ』を読んだな。



でも、ディランはフォークソングを発見したのです。

フォークシンガーなら、こういった本まるごと一冊を、数行の詞で歌うことができる。

ディランがここで言っているフォークソングは、バラッド(ballad)と呼ばれるものに近いようです。

物語詩に節をつけた流行歌、ぐらいでしょうか。



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どうしたらある人物や出来事がまともなフォークソングになるのか、説明するのは難しい。

たぶん、公明正大で正直な性格といったものと関係があるのだろう。

つまり、勇敢さといったものと。

アル・カポネはギャングとして成功してシカゴの地下世界を支配することができたが、誰もカポネの歌など作らなかった。

どのような点においてもカポネはおもしろくないし、英雄でもなかった。

カポネではつまらない(frigid)。

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バラッドというと無法者を歌っているような気がしますが、やはり感情移入できる気持ちのいい人物でなければ、歌の主人公にはならないわけです。

高倉健さんの時代の東映ヤクザ映画は歌になるけれど、『仁義なき戦い』シリーズでは歌になりません。



ディランはカポネのことをボロクソに書いてます。

カポネは凶悪犯や暴漢といった類いのもので、歌の中で名前を与えられるほどの価値もない。

それに対して「美少年フロイド(Pretty Boy Floyd)」は、わくわくさせてくれる。

彼のことを歌った曲は、本当に血肉を持っているし、人間というものを表現して、感動的だ。



ディランがアル・カポネに対峙させた無法者「美少年フロイド」はオクラホマ州で活躍した義賊。

ディランはそう書いていませんが、ウッディ・ガスリー(Woody Guthrie)の歌のことを言っているのです。



 →Woody Guthrie Lyrics: Pretty Boy Floyd



 →Digital Tradition Mirror: Pretty Boy Floyd



 →Pretty Boy Floyd 美少年フロイド



ウッディ・ガスリーとレッドベリーに捧げられた『Folkways: A Vision Shared』では、ディランはこの曲を選んで歌っています。



 →11月24日付幻泉館日録 我が祖国






【追記】No.1



またamazonからギフト券が届いたので、何かないかと思ってうろうろしていた。

文庫の新刊を眺めたり、おなじみの名前を検索してみたり。

「いしいひさいち」「つげ義春」「つげ忠男」「田中克彦」「田川建三」

「Bob Dylan」「Neil Young」「春一番」「高田渡」……お。



12月15日に、URCのシングル盤を集めたシリーズが出るらしい。

1998年に東芝EMIから出た時は3枚のCDだった。

今回は2枚組み×2なので、少し曲が増えているはずだ。

しょうがない、買うか~?



URC シングルズ vol.1

URC シングルズ vol.1

1. イムジン河(ミューテーション・ファクトリー) 2. リムジンガン(ミューテーション・ファクトリー) 3. 坊や大きくならないで(トソン・コーン・ソン) 4. もしも平和になったら(トソン・コーン・ソン) 5. 大ダイジェスト版三億円強奪事件の唄(高田渡) 6. 大ダイジェスト版三億円強奪事件の唄(実況) 7. 転身(高田渡) 8. 電車問題(高田渡) 9. いやなやつ-ボクを郵便でおくりましょう(西岡たかし) 10. 退屈なうつりかわり-ポケットは空っぽ(西岡たかし) 11. 私の大好きな街(藤原秀子,中川砂人) 12. この道(藤原秀子,中川砂人) 13. 坊やの絵(ザ・ムッシュ) 14. ともだち(ザ・ムッシュ) 15. お父帰れや(赤い鳥) 16. 竹田の子守唄(赤い鳥) 17. 砂漠(西岡たかし) 18. 森・梟(西岡たかし) 19. オーソドックスなフォーク・ソング(小森豪人) 20. 青春のキャンパス(小森豪人) 21. あくまのお話(秘密結社○○教団) 22. アリス(秘密結社○○教団) 23. なあお母ちゃん(バラーズ) 24. この広い海に(バラーズ) 25. ホーチミンのバラード(高石友也) 26. ベトナムの空(高石友也) 27. 殺し屋のブルース(中川五郎) 28. うた(中川五郎) 29. 血まみれの鳩(五つの赤い風船) 30. まるで洪水のように(五つの赤い風船) 31. 追放の歌(休みの国) 32. 楽しいさすらい人(休みの国) 33. 九官鳥(やまたのおろち) 34. 明日なき世界(やまたのおろち) 35. 腰まで泥まみれ(中川五郎) 36. 恋人よベッドのそばにおいで(中川五郎)



URC シングルズ vol.2

URC シングルズ vol.2

1. 自衛隊に入ろう(高田渡) 2. 東京フォークゲリラの諸君達を語る(高田渡) 3. こもりうた(アテンションプリーズ) 4. 私が一番きれいだった時(アテンションプリーズ) 5. それから(六文銭) 6. 五年目のギター(六文銭) 7. あかりが消えたら(愚) 8. マリアンヌ(愚) 9. 悩み多き者よ(斉藤哲夫) 10. とんでもない世の中だ(斉藤哲夫) 11. 7月21日早朝に(山平和彦&ザ・シャーマン) 12. そっと二人で(山平和彦&ザ・シャーマン) 13. アナポッカリマックロケ(久保田誠) 14. 昭和元禄ぼけぼけ節(久保田誠) 15. されど私の人生(斉藤哲夫) 16. われわれは(斉藤哲夫) 17. 風がなにかを…(五つの赤い風船) 18. ふる里の言葉は(五つの赤い風船) 19. 男らしいってわかるかい(ザ・ディランII) 20. プカプカ(ザ・ディランII) 21. 教訓I(加川良) 22. ゼニの効用力について(加川良) 23. 風がなにかを…(仏語)(五つの赤い風船) 24. ポケットの中の明日(加川良) 25. その朝(加川良) 26. 夢は夜ひらく(三上寛) 27. 誰を怨めばいいのでございましょう(三上寛) 28. 青森県北津軽郡東京村(三上寛) 29. よいしょよいしょ(三上寛) 30. えんだん(五つの赤い風船) 31. 小さな夢(五つの赤い風船) 32. もう春だね(友部正人) 33. 乾杯(友部正人) 34. 僕の街(ザ・ディランII) 35. ガムをかんで(ザ・ディランII) 36. ジャンジャン町ぶるうす(五つの赤い風船) 37. ある朝こっそり(五つの赤い風船)



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コメント 4

chappi-chappi

TITLE: Re:CHRONICLES #28 (Bob Dylan)(12/10)
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こんにちあるカポはシャブ~♪

ちょっといねむりしてしまいました。

物語風の歌は楽しいですね。
高田渡さんの歌にもちょっとそういったかんじのがありました。
なぐらけんいちさんは、とてつもないのを
歌っていました。
by chappi-chappi (2004-12-10 14:20) 

幻泉館 主人

TITLE: Re[1]:CHRONICLES #28 (Bob Dylan)(12/10)
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chappi-chappiさん、こんにちシャブはカポね~♪

>ちょっといねむりしてしまいました。

お、風邪など召さぬようお気を付けあれ。
ずび。

>物語風の歌は楽しいですね。
>高田渡さんの歌にもちょっとそういったかんじのがありました。

「三億円強奪事件の唄」はそうですね。
あの事件は確かにバラッド向きです。

>なぐらけんいちさんは、とてつもないのを
>歌っていました。

それはもしかし天下の国技館でまわしがあわわ?
by 幻泉館 主人 (2004-12-10 14:30) 

ゆうぐると

TITLE: Re:CHRONICLES #28 (Bob Dylan)(12/10)
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こんにち きむちのき~むち~がよ~くわかる♪

>エドガー・バロウズ(Edgar Rice Burroughs)
>裸のランチじゃありませんよ、ターザンです。
おっとあぶない。バロウズといえば即そっちを連想してしまいます。
ターザンの原作者がいたのですか‥って当たり前でしょうが‥‥。

少女向け大衆小説は『若草物語』みたいな感じでしょうか‥‥
by ゆうぐると (2004-12-10 19:14) 

幻泉館 主人

TITLE: Re[1]:CHRONICLES #28 (Bob Dylan)(12/10)
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ゆうぐるとさん、こんばんはだかの○んち♪

バロウズというと、SFも量産してますね。
妙にノスタルジックな感じがするのはなぜなんでしょう。

<small> <a href="http://www.princess.ne.jp/~erb/" target="_blank">http://www.princess.ne.jp/~erb/</a></small>

『若草物語』は小さいころ読んだ覚えがあります。
従姉の本なんだろうな。
by 幻泉館 主人 (2004-12-10 19:38) 

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