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高田渡「夕暮れ」 [高田渡]

[雑煮自慢開催中!!]

終了時刻は[ 1月4日24:00 / 1月5日00:00 ]

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更新しました。

夕陽が好き![I Love Sunset!] 2004年1月2日 千本浜



ここ十年ほどの間、私の年末年始休みは大晦日と三が日だけです。

今回もそうです。

ああ、もうすぐ休みが終わる。

しまった、ちょっと宿題があったんだ。

夕陽の撮影で身体を冷やしたらしく、ちょっと熱っぽい。

とりあえず今日は布団に潜ろう。



大晦日の妙なコンサートで渡さんが1曲だけだったのでちょっと欲求不満。

2枚組みの『Best Live』など引っ張り出してぐるぐる聴く。

そうそう、これこれ。

大晦日からずっと僕は「夕暮れ」を口ずさんでいたのだ。



黒田三郎さんの詩に、高田渡さんが曲を付けた作品。

ライブでは「明るい曲がなくてすいません」なんて言ってる。



 ♪ 夕暮れの町で

 ♪ 僕は見る

 ♪ 自分の場所からはみ出してしまった

 ♪ 多くのひとびとを



実は、渡さんは原作の詩を少し改変して曲を付けることが多い。

上の部分では3行目「はみ出してしまった」は、黒田さんの原詩では「はみ出てしまった」。

この先では、かなり大胆な改変を行なっている。

一連そっくり言葉遣いが入れ替わっているところもある。

先に渡さんの歌を知ってしまった身としては、少し原詩の響きが居心地悪く感じられる。

対照して並べてあるサイトを見つけたので、興味のある方はご覧ください。



安藤文隆のエッセイ



銀座ライオンのようなビヤホールなのである。

吉祥寺の「いせや」や「下駄屋」ではない。

渡さんではなく、黒田三郎さんの世界。



以前の渡さんは、リフレインなんかののために少し原詩をいじるといった感じだった。

ところが、「夕暮れ」では書き換えの水準がそのようなものではなくなっている。

上記サイト安藤文隆氏は、渡さんの「夕暮れ」では絶望感や無力感が強調されていると分析している。

原作の「夕暮れ」は「哀しいながらも哀しさのやり過ごし方を熟知した達人・黒田三郎ならではの確信と安定感」を感じるという。

見事な分析というほかなく、ただ脱帽である。



伝説のステージ泥酔事件や、実際に私が目撃した吉祥寺東急裏おまわりさんと口論事件など、渡さんはついついおもしろく語りたくなるが、哀しい歌うたいなのである。

以前高田渡「火吹き竹」(1973)というタイトルで、『世界・わが心の旅「ドイツ 僕と生きてきた詩(うた)」高田渡』という番組のことを自家引用しました。

ドイツ人の多くが滑稽だと感じるリンゲルナッツの「すかんぽ」を渡さんは哀感こめて歌うのです。



ふと、こんな光景が頭に浮かびました。

まっさらな原稿用紙に、丁寧に丁寧に言葉を書く渡さん。

ほんの少し書き換えては、納得できずにまた別の原稿用紙を引っ張り出す。

他人が見てもその違いがわからないほどの書き換えを、ほんの少しずつ加えていく。

何度も何度も繰り返して。

そう、ちょうど山之口獏、獏さんが詩を書く時のように。



高田渡『Best Live』



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コメント 12

marie jo

TITLE: Re:高田渡「夕暮れ」(1/3)
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新年おめでとうございます。また本年もすてきなsun set & Musicをよろしくお願いいたします。

ってことで「初日の入り」という言葉には感動いたしました。じ~ん・・・・

今日の夕日もきれいでした。残念ながらカメラを持ち合わせていなかったことと車を運転している時だったので撮ることはできませんでしたが。

グラデーションのかかった空。やわらかな少し灰色がかった紫に近いピンクがきれいで。そして沈み行く陽が濃い卵色、ほんのりオレンジがかった、まるでラーメンの中の味玉のようでした。

30代で通風だったってほんとですか?もうよくなったんでしょうか。お大事に。

総理大臣が靖国に参拝することがどのようにどういう問題か、子供に説明するのがむずかしいので少し考えてみたいものです。では!
by marie jo (2004-01-03 00:24) 

幻泉館 主人

TITLE: Re:Re:高田渡「夕暮れ」(1/3)
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marie joさん、あけましておめでとうございます。

>ラーメンの中の味玉

この言葉に感動しております。
普通出ないですよ、そういう比喩は。
本当は写真に撮る必要はないんですよね。
その場で浸っているのが一番です。

>30代で通風だったってほんとですか?もうよくなったんでしょうか。お大事に。

体質が変ったようです。
血液中の尿酸値はごく普通。
不思議です。

>総理大臣が靖国に参拝することがどのようにどういう問題か、子供に説明するのがむずかしいので少し考えてみたいものです。では!

選挙基盤へのアピールと、改憲への既成事実作りと観測。
こんなものなんでしょうかね。
さわやかな言動を売りにしていたのに、かなりこすっからいです。
by 幻泉館 主人 (2004-01-03 00:31) 

マルホランド

TITLE: Re:高田渡「夕暮れ」(1/3)
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あけましておめでとうございます。<BR><BR>以前ここに書いたかナー、書いてはいないよなーと思いながら。

そのむかし、とある音楽系喫茶にて、ってぐぁらん堂ですが、となりに高田氏、そのとなりにシバ氏という相席状態。高田氏がばかでかいジッポー型で煙草に火をつけていました。でかいってのは弁当箱よりも大きいくらいの・・・。<BR><BR> 
by マルホランド (2004-01-03 00:58) 

マルホランド

TITLE: Re:Re:高田渡「夕暮れ」(1/3)
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煙草は吸ってなかったかな。遊んでいただけかも。
すんません。ご主人。>しょうもない追伸でした。
by マルホランド (2004-01-03 01:01) 

幻泉館 主人

TITLE: Re:Re:高田渡「夕暮れ」(1/3)
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マルホランドさん、あけましておめでとうございます♪

>高田氏がばかでかいジッポー型で煙草に火をつけていました。でかいってのは弁当箱よりも大きいくらいの・・・。

懐かしいですね、そういうの売ってました。
吉祥寺駅ビル・ロンロンの中に「アイデアの王様」なんてお店がなかったかしら。
そういえばねじめ民芸品店もあったような。

私がウニタで店番をしている時にぐゎらん堂の人が少年ジャンプを買っていくので、領収書を書いてました。
by 幻泉館 主人 (2004-01-03 01:36) 

yitiko

TITLE: Re:高田渡「夕暮れ」(1/3)
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結婚する前に夫がよく黒田三郎の詩を読んでくれてね、ころりとまいったんだけど、私が恋したのは黒田さんの方だったことに大分経ってから気付きました。もう遅すぎる。
幻泉館さんと交友範囲がかなり重なっているのに、今頃知って、しかも女性だと思ってしまった。
ことしもよろしく。
by yitiko (2004-01-03 09:23) 

chappi

TITLE: Re:高田渡「夕暮れ」(1/3)
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幻泉館ご主人様、
新手の怪傑ハゲマオが出ました!
どってん。
by chappi (2004-01-03 11:21) 

幻泉館 主人

TITLE: Re:Re:高田渡「夕暮れ」(1/3)
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yitikoさん、こんにちは♪

>結婚する前に夫がよく黒田三郎の詩を読んでくれてね、ころりとまいったんだけど、私が恋したのは黒田さんの方だったことに大分経ってから気付きました。

ううむ、そういう手があったんですね。
私も黒田三郎さんの詩を朗読すれば良かったんだ。
天上天下唯我独身、よくおばさんんと間違えられる年男です。
こちらこそよろしく♪
by 幻泉館 主人 (2004-01-03 12:00) 

幻泉館 主人

TITLE: Re:Re:高田渡「夕暮れ」(1/3)
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chappiさん、こんにちは♪

>幻泉館ご主人様、
新手の怪傑ハゲマオが出ました!
どってん。
by 幻泉館 主人 (2004-01-03 12:01) 

幻泉館 主人

TITLE: Re:高田渡「夕暮れ」(1/3)
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わかりました。
おもわず昼泣きしてしまったじじいです。
びえ~!
by 幻泉館 主人 (2004-01-03 12:04) 

izumatsu

TITLE: Re:Re:高田渡「夕暮れ」(1/3)
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★幻泉館 主人さん

おじゃまします。

>おもわず昼泣きしてしまったじじいです。
>びえ~!

何を言っとんのかねぇ、我が同窓生たちよ。

ところで昨年は山之口貘さんの生誕100周年だったって話、
どっかに書いた、またはどっかで聞いた気がするんだけど、
ご主人宅だったかしらん?
沖縄の本屋にはちゃんと「山之口貘コーナー」ができてた。
こっちの本屋には貘さんの詩集って置いてないので、
アルバム(写真ね)と詩集を買って帰ったことでした。
by izumatsu (2004-01-03 22:37) 

幻泉館 主人

TITLE: Re:高田渡「夕暮れ」(1/3)
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izumatsuさん、こんにちは♪

>ところで昨年は山之口貘さんの生誕100周年だったって話、

あ、そうだったんだ。
うちじゃないと思います。
貘さんの本、手に入らないんですか。
残念ですね。
by 幻泉館 主人 (2004-01-04 15:35) 

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