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猫の首輪 [ヒナのひるね、少年の夢]



ヒナ


外から猫の鳴き声が聞こえる。
ヒナじゃない。
入れてくれと言ってるようだけど、窓を明けると姿を消してしまう。
迷い猫か、捨て猫か、首輪をしているらしい。
ヒナは猫社会に参加できなかったやつなので、あんまり反応しない。

先代の大物猫チビ君は、新しい首輪を付けると、すぐに鈴を取ってしまった。
うるさいのが嫌だったんだろう。
いや、首輪そのものも壊して外してしまうことが多かった。
ヒナはあまりそういうことをしない。
ずいぶん違うものだ。
ただ、黒トラのチビも、黒猫のヒナも、赤い首輪が似合う。

七十年代には、江ノ島は猫の名所ではなかったと思う。
いつのまに、あんなになってしまったのか。
いつのまに、こんなになってしまったのかというひどいテレビ報道を見ながら、江ノ島の海と空を思い出した。


9条を殺すな!

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