パイプの森の放浪者 [書籍と雑誌]
堀江邦夫さんがまさに地を這って「原発ジプシー」を体験し、それを水木しげるさんが聞き書きして絵を描く。
その絵は、配管の化け物である。
あらためて、水木しげるという人はすごいなと思う。
どれだけ炉心部を頑丈に造ろうとも、この配管の化け物を人間が統御することは不可能だ。
ほんの少しの手抜き工事で配管の森林は崩れていく。
常に何かが漏れ出す。
福島の悲劇は必然だったのである。
「パイプの森の放浪者」は、アサヒグラフに掲載された時のタイトルだ。
三十二年の時を経て書籍化された『福島原発の闇』では、第一章の題となっている。
コメント 0