『カムイ伝』の原風景 [書籍と雑誌]
毛利甚八さんの『白土三平伝 - カムイ伝の真実』が届いたので、すぐに読み始める。
あ、おもしろいわ、こりゃ。
本間建彦さんの『高田渡と父・豊の「生活の柄」』を思い出す。
三平さんのお父さんは昭和のプロレタリア画家、岡本唐貴。
プロレタリア美術運動の組織者でもあり、論客でもあったそうだ。
度々特高警察に逮捕され、拷問を受けている。
そこで岡本唐貴は一家を連れ関西へ逃れてプロレタリア美術運動を組織するための活動をすることになる。
幼少時の三平さんは、朝鮮人、琉球人、被差別部落の人びとともに暮らしていたのである。
その風景を見たいと関西探訪をする案内人として、著者毛利さんの友人、あの浪速の唄う巨人・パギやんこと趙博さんが登場する。
パギやんは私と同じ年齢のようだが、通っていた西成の中学校では、ひとクラス四〇人のうち、二〇人が非差別部落の子ども、一〇人が在日、一〇人が沖縄出身という構成だったそうだ。
続いて疎開先の長野の話になるようだが。
急がないでゆっくり読もう。
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白土三平は昭和七年(一九三二)年の生まれだが、その作品群は一貫して戦後の日本社会におもねることがなかった。戦後民主主義を手放しで褒めたたえることもしていないし、高度成長で豊かになることも信じた気配がない。バブル経済に乗って受かれるという素振りは皆無だった。そういう意味では、全共闘世代の思想的カリスマだった吉本隆明氏がある時期、デザイナーズブランドの服を着てファッション誌のモデルを務めるなど一九八〇年代のセゾン文化を代表とする高度消費社会に歩み寄った姿とは対照的だった。
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三平さんが原発に対してどんなことを言っているのか思い出せないが、吉本隆明さんの言動はツイッターで話題になっているのを見かけた。
ああ、日経に載ったのか。
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日経文化面 吉本隆明(1)「原発をやめる、という選択は考えられない。原子力の問題は、原理的には人間の皮膚や硬い物質を透過する放射線を産業利用するために科学が発達を遂げてしまった、という点にある。燃料としては桁違いにコストが安いが、そのかわり、使い方を間違えると大変な危険を伴う。
mitsuo1960 2011/08/05 07:43:02
日経文化面 吉本隆明(2) しかし、発達してしまった科学を、後戻りさせるという選択はあり得ない。それは、人類をやめろ、というのと同じです。だから危険な場所まで科学を発達させたことを人類の知恵が生み出した原罪と考えて、科学者と現場スタッフの知恵を集め、お金をかけて
mitsuo1960 2011/08/05 07:54:36
日経文化面 吉本隆明(3) 完璧な防御装置をつくる以外に方法はない。今回のように危険性を知らせない、とか安全面で不注意があるというのは論外です。」日経新聞2011/8/5朝刊文化面「8・15からの眼差し」からの抜粋 インタビュー記事
mitsuo1960 2011/08/05 07:59:29
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「完璧な防御装置」などあり得ない。
それなのになぜ「原発をやめる、という選択は考えられない」のか。
「発達してしまった科学を、後戻りさせるという選択はあり得ない。それは、人類をやめろ、というのと同じです」と、吉本さん、何かが硬直してますな。
経団連御用新聞でこんなこと言ってるようじゃ、ダメだ、こりゃ。
経団連御用評論家、吉本隆明。
ちとサビシイね。
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