ヒナの目覚め [ヒナのひるね、少年の夢]
ヒナはうちに来た時からしばらくの間、パアではないかと言われていた。
キツネザルみたいな顔で、ニャゴニャゴ勝手なことをしゃべってる。
先代の大物猫チビが、賢すぎたのだ。
あいつは犬みたいなやつだった。
「お預け」をしたし、雪が降ると喜んで庭を駆け回っていた。
車に乗せてくれと、ドアのところで待っていた。
ヒナの場合はいつもツンツンしているだけだった。
猫というのは、本当はこうなのかもしれないと思ったが、猫社会にもうまく入っていくことができないようだった。
それが、この頃急に賢くなった。
やっと甘え方を覚えたというのだろうか。
毎朝、といっても昼に近い時間帯だが、私を起こしにきてくれる。
ご飯だよ!
ご飯だよ!
食事中、ずっと側で待っている。
食器を洗っていると、擦り寄って来て尻尾で私の脚をぱたぱたと叩く。
だっこすると、喉をごろごろと鳴らす。
うちに来て13年経つか。
ずいぶん時間がかかったなあ。
その分長生きしろよ。
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