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神聖喜劇ふたたび [テレビ]

千本浜 2008年4月14日

昨夜(4月13日)のNHK教育テレビETV特集は、大西巨人さんと『神聖喜劇』。

 →神聖喜劇ふたたび~作家・大西巨人の戦い~

なんといっても大西巨人さんが話してらっしゃる姿がいい。
硬質な文体そのまま。
あの独特の文章は、巨人さんそのものだということがわかる。
赤人さんもお元気そうでよかった。

お二人の公式ホームページがあるのは知らなかった。

 →大西巨人/巨人館

 →大西赤人/小説と評論

しかしまあ、渡部昇一って人はしょうがないな。

 →「神聖な義務」

番組を観ていてまた『神聖喜劇』が読みたくなったのだが、厚手の文庫本5冊セットがどこに行ったかわからなくなってしまった。
まとめて置いてあるはずなのだが。

そういえば、番組にも出てきたが、『神聖喜劇』のマンガやシナリオも売ってたな。
買ってきて読もうかしら。

 →幻泉館日録:『近代の奈落』読了
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大西巨人の大傑作『神聖喜劇』に、魅力的な人物が登場する。
今手元にないので具体的に書けないのだが、映画『戦場のメリークリスマス』に出てくる二人がそれによく似ている。
『戦メリ』の場合はビートたけしと坂本龍一が演じた。

日常的に差別し、搾取する直接の敵は「兵隊」であるビートたけしたちである。粗野で乱暴で、しかし愛すべき庶民でもある。その日常的な差別を正してくれることさえあるのが、清廉なる「軍人」坂本龍一。そこでほいほいと「軍人」の番犬になっちゃいけない。本当の敵は国家を体現する「軍人」の方なんだ。

そう、「平沼騏一郎」的官僚、国家を担っているつもりの「革新官僚」のやりたいようにさせておくと、ずいぶん生きにくいクニになるぞ、ということです。
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 →幻泉館日録:俗情との結託
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「俗情との結託」という言葉を思い出し、大西巨人さんの『神聖喜劇』が読みたくなる。
通俗性への迎合と言い換えても間違いではないだろうが、巨人さん(って書くとオール阪神巨人みたいだな)のゴリゴリっとした感じがなくなってしまうね。
戦争報道やその感想文から思い出したんだが、「俗情」「通俗性」が人によって正反対の内容を意味するのだろう。
大西巨人が使えば確固とした言葉に聞こえる「俗情との結託」も、吉本ファンの文芸評論家が使うと実に怪しいものになってしまう。

60年安保の際に、国会を取り囲んだ群衆に対して後楽園で野球観戦する群衆をひきあいに出し、「声なき声」と首相が言った。
大声を挙げるデモの民衆には声があるが、後楽園で野球を観る一般市民は声を出していない。
しかし、声なき声は政府を、日米安保を支持しているというものだ。
まったく同じ論理で反戦デモを批判している文章を見掛けて、驚きましたぞ。
大丈夫、あんたの声は十分でかいよ。
なんといっても権力者があんたの味方だ。
それを番犬と言うんだ。
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侵略戦争を現場で実行し、残虐な行為に及ぶのは、駆り集められた兵隊たちだ。
彼らはまた、愛すべき庶民でもある。
これが日本人。
『神聖喜劇』はその両面を愛憎込めて描き出す。
『戦場のメリークリスマス』で「メリー・クリスマス、ミスターローレンス!」と言うビートたけしの笑顔を思い出す。

一時期のネット右翼どもがアホだったのは、兵隊のはずの連中が、軍人を気取ってしまうことだった。
今でもあいつらは、自分の脳内では参謀やらインテリやらのつもりになっているのだろうか。


神聖喜劇 神聖喜劇〈第1巻〉 (光文社文庫)

マンガ『神聖喜劇』 神聖喜劇 (第1巻)

シナリオ 神聖喜劇


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