ランブリン・ボーイ CHRONICLES #408 [ボブ・ディラン『クロニクルズ』]
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The Duke was a massive figure. He looked like a heavy piece of hauled lumber, and it didn't seem like any man could stand shoulder to shoulder with him. Not anybody in the movies, anyway. I thought of asking him why some of his cowboy films were better than others, but it would have been crazy to do that. Or maybe it wouldn't have been... I don't know. In any case, I never would have dreamed that I'd be standing there on a battleship, somewhere in the Pacific singing for the great cowboy John Wayne, while back in Minneapolis face-to-face with Jon Pankake...
デューク(ジョン・ウェイン)は実に堂々たる体躯をしていた。伐り出された材木みたいで、誰も肩を並べることなどできなさそうだった。少なくとも映画の中では誰も。彼のカウボーイ映画で他よりできの良いものがあるのはどうしてなのか尋ねようかと思ったが、そんなことをするのは気違い沙汰だった。そうではなかったかもしれないが、僕にはわからない。いずれにせよ、太平洋上のどこかの戦艦の上で、偉大なるカウボーイ、ジョン・ウェインに歌を歌うことになるなどとは、夢にも思っていなかった。ミネアポリスでジョン・パンケイクと顔を突き合わせている時には。
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すっかり忘れておりました。
ジョン・パンケイクというヒョーロン家っぽい人物に、ディランは問い詰められていたのでした。
「一所懸命やっているけど、あんたはけっしてウディ・ガスリーにはなれないんだぞ」
高みからものを言うようなパンケイクに、ディランはカチンと来ます。
ただ、パンケイクの言っていることはおそらく正しいのです。
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He breathed fire through his nose. "You better think of something else. You're doing it for nothing. Jack Elliott's already been where you are and gone. Ever heard of him?" No, I'd never heard of Jack Elliott. When Pankake said his name, it was the first time I'd heard it. "Never heard of him, no. What does he sound like?" John said that he'd play me his records and that I was in for a surprise.
彼は鼻から火を吹いた。「他のことを考えた方がいい。あんたのやってることは何にもならない。もうジャック・エリオットがそういうことをして、先へ行ってしまってる。聴いたことがあるか?」いや、ジャック・エリオットは一度も聴いたことがなかった。パンケイクがその名前を言った時が、初めて名前を耳にした時だった。「一度も聴いたことがない。どんな音?」驚いたことに、ジョンは彼のレコードを聴かせてやろうと言った。
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出ました。
ウディの一番弟子、ランブリン・ジャック・エリオットです。
しかし、ディラン青年はとても素直ですね。
パンケイクってやなやつだなあと思いながらも、ホイホイと彼の部屋で出かけていきます。
ところで、ジャック・エリオットの名前を聞くと思い出すのは、トム・パクストンの曲です。
中学生の時に、岡林信康さんの歌で知った「ランブリン・ボーイ」です。
♪ あいつは 男 一緒に 苦しみ
♪ 一緒に さまよった 雨の日も 風の日も
♪ 今祈る 流れ者 この旅に幸あれと
♪ 今祈る 一人旅 あいつに幸あれと
中山容さんの訳詞ですが、二番の「一つの茶碗で 食べ合った」がどうにもおかしいなあと思いました。
いい曲ですよ。
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