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五つの赤い風船「美しいものは」(1973年) [音楽]

秋の好日。

法事の後、時間ができたので海に急ぐ。

なんとか夕焼けに間に合った。

記号化した地図だと海岸線が東西に走っているように見えるところなので海に沈む夕陽は見ることができないのかと思ったら、堂々と海に沈んでいった。



堤防には、夕陽を見に来ている市民が多かった。

堤防の上はまさに夕陽に照らされたプロムナード。

子供たちが水際で遊んでいるが、静かに海と空を眺める人が多い。

町なかではバカップルなど見かけると腹が立つのだが、夕陽を眺める人たちはみんな幸せな表情をしているので、カップルもほほえましく見える。

本当は撮影なんかしないで、ただじっと夕陽を見ている方が幸せだったんだろう。



山で見た夕陽も、海で見た夕陽も、とてもきれいだった。

のんびり市、とてもいいところだ。

幻泉館主人は非国民かもしれないが、のんびり市の市民ではある。



今までこんな風景を知らなかったので、損をしていた気がする。

でも、今発見したからこそ、素直に美しいと言えるのかもしれない。

日曜日の夕方、家族で海に沈む夕陽を眺める。

これが幸せというものなんだろうな。

本当に絵に描いたような、幸せだ。

だけど、他人の幸せを嫉妬するような気がまるで起きない。

何より、海と夕陽の美しさのおかげだと思う。



夕陽の中を、小さな漁船が横切っていく。



五つの赤い風船に「美しいものは」という曲がある。

あの『ゲームは終わり 五つの赤い風船解散記念実況盤』にしか入っていないのではなかろうか。

歌っているのはベースの長野隆さんかな。



 ♪ 山を見ていると ♪



何もほしくなくなるという歌である。

「家も道も車も」「町も汽車も畑も」



 ♪ 何もほしくなくなる ♪



およそ人為的なものは何も要らないというのである。



 ♪ 美しいものは 人の世にはなく ♪



さらには、「愛する人さえも」ほしくなくなるし、「私もいなくていい」という歌である。

ああ、いなくていいなと思った。



帰りの車の中では、ジョン・レノンの「イマジン」がかかった。

私は音量を上げて、大声で歌いながら家に帰った。

天国も地獄も国家も要らんのだ。



夕陽が好き![I Love Sunset!] 本日の夕焼け画像を追加しました。



2003年10月26日 千本浜






掲示板が変わってからレスが付けにくくなって、すっかり御無沙汰していた「日本のフォークソング」の掲示板。

なんとなく覗いてみたら、avexから出たURCの復刻盤CDに岡林信康の曲が入っていない理由がわかった。



http://6027.teacup.com/folk/bbs



わかったのだが、納得はできない。

avex/amazonの売り方である。

これでは「復刻盤」ではないじゃないか。

収録できなかったのなら、その説明をすべきである。

非常に不愉快。

かといって、五つの赤い風船の『ゲームは終わり』は風船の部分だけでも聴きたいことは聴きたい。

ちっ。



五つの赤い風船にハマッたデインジャラスりえどん(仮名♀十代)だが、その後続けて古い流行歌の世界を探検しているようである。

ただ、「なごり雪」とか「木綿のハンカチーフ」とか言っているので、風船ほど特殊ではない。

このあたりの曲ならカラオケ屋さんにもあるだろうし、どこの高校にもそんな曲を好む変わり者がいるものだ。



「なごり雪」を歌ってくれとせがまれて、歌いながらついつい余計なことを言ってしまう。



 ♪ なご~りゆき~も ふるときをし~り~♪



いちばんいいところだ。

「これさ、こう聞こえない?」



 ♪ ふるとき お尻~♪



だまし絵と一緒で、一旦そう聞こえるようになると、もうダメである。

名曲がだいなしですな。

実に申し訳ないことをした。



「鈴を鳴らして」という歌詞が出てくるのはアン・ルイス「白い週末」だったかしら。

「すず おならして」に聞こえていました。






今は亡き親父様の十三回忌。

親父様の世代の近い親戚だけなのでごくごく小規模に済み、良かった良かった。

寝ぼけたまま頭をからっぽにして言われるままに動いたので、楽チンは楽チン。

年寄りばかりなので、若者(!)である私がへいへいと車でパシりまくる。

こういうのは気楽でありますな。



宗教は阿片であるという命題は正しいと、私は考えています。

だから帰依なんぞしていない。



ただ、寝ぼけた頭で和讃や正信偈を唱するのは好きだ。

みな自分の声の高さで、時々間違えたりしながら読み上げていくと、西洋音楽の平均律にはない、深いハーモニーが生まれる。

身をゆだねていると、まさに往生安楽国~という感じがしてくるわ。



正信偈というのは、日本史で習った親鸞の「教行信証」の行巻末尾にある偈文(げもん)のことです。

「正信念仏偈」の略だそうで、信仰告白と宗派の要旨のようなもの。

龍樹のような見知った名前が出てくると嬉しいですな。



思想史上、現在に直結する日本のオリジナルな思想が生まれ出たのが鎌倉新仏教だと言われています。

その一人、親鸞の思想のエッセンスが、この正信偈なんだそうです。



正信偈 本文, MIDI, MP3



正信偈 解説



浄土真宗は他力本願なので、行を説く般若心経を読み上げることはしません。

他宗派の葬式なんぞにも行ったことがあるはずなんだけど、でも教典を読み上げたりした覚えがないなあ。

いろいろやってみたい気はするのだけど、まだ機会がありません。

御詠歌というのに興味があります。



【追記】

 法事から帰ってこの「幻泉館日録@楽天」にアクセスして気づいたのだが、この色合いは葬式ではないか?

 本館はちゃんとスタイルシートが使えるので文字色を淡くしてみたのだが、楽天では細かい設定ができない。

 それで墨のグラデーションをバックに敷いてみて、落ち着いていて良かろうと思ったのだが、実に抹香臭いではないか。

 話題が仏教だと、本当に滅入ってしまう。

 早く気づけよなあ。



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コメント 2

らいばあ

TITLE: Re:五つの赤い風船「美しいものは」(1973(10/27)
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おかげさまでムショーになすが食べたくなり
2袋買ってきて ドロドロの煮物にして 
ビール飲みつつ 1人でたいらげました
「なごり雪」は青春の1曲
就職が決まって地方に行くことになった友達と
渋谷で最後の食事をしていたら 雪が降ってきて・・・「東京で見る雪は最後ねと・・・」
お念仏は不思議な響きです
一生懸命読んでみても意味不明
なのに妙な一体感がうまれて・・・
眼で追うのとは違って 声に出す効果とでもいうのでしょうか
ただ残念なのは なんとも 仏教はオモロイよ
と教えてくれる人がいなくってね
いまいち その世界を覗こうという気になれないんですわ 
明日はなすのグラタンにしよーっと
by らいばあ (2003-10-27 21:17) 

幻泉館 主人

TITLE: Re:Re:五つの赤い風船「美しいものは」(1973(10/27)
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らいばあさん、こんばんは♪
細かく切ると挽き肉の雰囲気に使えますよね。
(そうか?)
結構ひっぱったんで、せっかくだから茄子料理サイト
<small> <a href="http://www.tamano.or.jp/usr/boeing/ryori.htm" target="_blank">http://www.tamano.or.jp/usr/boeing/ryori.htm</a></small>

教義と教団はまた別物だったりするところが、一筋縄では行かないですね。
信士と居士、信女と大姉なんて戒名も納得できんのです。
by 幻泉館 主人 (2003-10-27 21:58) 

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