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わが亡きあとに洪水はきたれ! [書籍と雑誌]



2015年4月4日


そういえば、と思い出した。
マルクスが資本論で延々とパンの不正製造を述べた後に、「わが亡きあとに洪水はきたれ!」と引用していたな。
手元にある筑摩書房版『資本論 第一巻』で該当箇所を探してみる。
ああ、これだ。

p.395 労働日
――――――――――――――――――――――
いかなる株式投資においても雷はいつか落ちるに違いないということは全員が知っている。しかしその全員が、雷は自分自身が黄金の雨をたっぷり受けて安全に逃げおおせた後で隣の人の頭上に落下するだろうと思っている。洪水は我れ亡きあとに来たれ!(Après moi le déluge! ) これがあらゆる資本家と資本家国家の合言葉である。
――――――――――――――――――――――

労働者の労働条件について書かれたものだが、私が抱く洪水のイメージは、震災直後の津波に上書きされている。
原発再稼働の無責任さは、まさに「洪水は我れ亡きあとに来たれ!(Après moi le déluge! )」だ。
後は野となれ山となれ。

また、どうしたって大江健三郎さんの小説を思い出す。
震災と原発事故の後、象徴の意味がまったく変わってしまった。
もう見ないふりはできない。


 


9条を殺すな!

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