國之楯 [テレビ]
闇の中に横たわる兵士。
顔には寄せ書きのある日章旗が被せられている。
軍から受け取りを拒否された戦争画。
裏書きのタイトルは、何度も書き直されている。
「軍神」
「大君の御楯」
「国の盾」
改作 加筆 (二回目)
昭和十九年二月完成画畢
小早川秋声作
「廿二日」が後から加えられている。
この絵は作者によって、二度にわたって上描きされているのだ。
タイトルの変更と一致する。
一旦描かれた、舞い散る灰色の桜の花弁を黒く塗りつぶす闇。
闇に溶けこむ軍刀。
顔に被せられた日の丸も下絵からは大きく描き直されている。
時折り私に戦争の色彩は----という
質問を受ける
戦争に対して
特種の色彩がある訳もなかろうが
私の直感から云えば
灰黒色とセピア色が戦争の中から
滲んで来るような気がする
勿論之は私だけの感じだが----然し
白や桃色や紫には決して映らない
戦後、残った桜の花もすべて黒く塗りつぶされる。
▼NHK 極上美の競演
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8月7日(日)午前11時00分~午後0時00分
NHK BSプレミアム (再放送)
「闇に横たわる兵士は語る 小早川秋聲 "國之楯"」
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