原発事故は人災です [書籍と雑誌]
『原発労働記』が届いたのでぱらぱらと読んでみる。
復刻本ではなかった。
削除した部分と加筆修正した部分がかなりあるので、書名も変更したと書かれている。
著者の堀江さんが沖縄大学でゼミを担当しているということも知らなかった。
記録文学のゼミである。
帯が瀬戸内寂聴さんで、「原発事故は人災です」。
そう、人災です。
確実に、利権のために災害を引き起こした人間がいるのです。
たとえば?
▼独立行政法人日本原子力研究開発機構:理事長ごあいさつ
「ご」は要らないと思う。
この「ごあいさつ」の日付に驚く。
平成23年4月1日だ。
2011年、今年だよな。
3.11以後のこととはとても思えない。
検索したら、この理事長を「マッド・サイエンティスト」と評した文章がヒットした。
▼高級原発ジプシー=御用学者 ▼ 福島原発人災記
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そして、原子力研究開発機構のHPから、鈴木篤之理事長のあいさつを見つける。この人は、東大教授から原子力安全員会委員長を経て、現職という、原子力村の有力者で「御用学者の親玉」である。川村氏に言わせると「プルトニウムにフェティシズム的な愛着を持っている」「マッド・サイエンティスト」である。(130ページ)その人物が、なんと原発大事故中の、4月1日付で、「ごあいさつ」を載せている。興味のある人は自分で見てください。川村氏の言うとおり、「その神経と感性は、とてもまともなものとは思えない。」ここをクリック。
http://www.jaea.go.jp/01/1_1.shtml
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高崎というところがあります。
取材で何度か訪れたことがあるだけです。
がら~んとした、本当に空っ風が吹き荒ぶところ。
ここは中曽根康弘という政治家のお膝元です。
原子力の「平和利用」においても、日本の再軍備・核武装に関しても、重要な場所です。
▼日本原子力研究所 高崎研究所
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日本原子力研究所は、2005年10月1日に核燃料サイクル開発機構と統合し、独立行政法人日本原子力研究開発機構になりました。
日本原子力研究開発機構の詳細は「http://www.jaea.go.jp/」でご覧いただけます。
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▼ラジエ工業株式会社
広島と長崎を経験した被爆国日本が、なぜ原子力発電所の建設に邁進していったのか。
どう考えてもおかしい。
福島はまさに3発目の原爆を被爆したのです。
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●1979年3月28日 アメリカ合州国ペンシルベニア州のスリーマイル島原子力発電所で重大な原子力事故
●1986年4月26日 ソビエト連邦ウクライナ共和国にあるチェルノブイリ原子力発電所で重大な原子力事故
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米ソで重大が原発事故が起きている時。
西ヨーロッパでは「反核」運動、東ヨーロッパでは民主化要求が高まっていた。
それがレーガン・中曽根・全斗煥の時代。
利権の構造は70年代に作られたものだ。
日本の反核運動が本物だったら、80年代にそれを壊すことができたのだろう。
でも、壊すことができなかった。
むしろさらに大きく強固なものにしてしまった。
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■中曽根康弘 日本国第71・72・73代内閣総理大臣(1982年 - 1987年)
■ロナルド・ウィルソン・レーガン(Ronald Wilson Reagan) アメリカ合州国第40代大統領(1981年 - 1989年)
■全斗煥(チョン・ドゥファン) 大韓民国第11・12代大統領(在任:1980年 - 1988年)
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一世代は30年という定義があります。
支配者がそっくり入れ替わるほどの時間。
社会の仕組みを変えなければならない時間。
それが一世代です。
レーガン・中曽根・全斗煥から一世代。
やっといま壊れつつある。
未曾有の人災を引き起こしたマッド・サイエンティストと、政治家と、利権構造が、いま少しずつ明るみに引きずり出されているのだろう。
自民党の政治家は、いわばその変化に対する抵抗勢力だ。
そっちに引き戻されてはならない。
▼幻泉館日録:遠藤賢司「踊ろよベイビー」
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