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密告者 [書籍と雑誌]



季刊フォークリポート


アート音楽出版の『folk report うた うた うた 1970年 冬の号』が「わいせつ」を理由に押収された次の号、『季刊フォークリポート 1971年春の号』を、中学生だった私はレコード屋さんで立ち読みしました。
「特集 遠藤賢司」が読みたかったのですが、「わいせつ」事件で摘発されたということにショックを受けながら、でもドキドキワクワクとこっそり立ち読みしました。

今はもうない、ヨネヤマというレコード屋さんです。
とにかく店の隅から隅まで、レコードジャケットを引っ張り出しては眺めました。
レコードを買うお金はないので、ただただジャケットを眺めては、どんな音かなあと想像するのです。
店の一画に細長い書棚があって、そこにフォークリポートがありました。
そこで隠れるようにフォークリポートを立ち読みしたのです。

今回、この号の付録を手にいれました。
題して「マイナー手帖」。
B4の紙3枚の両面に印刷したものを二つ折りにして、B5判12ページにした新聞のようなものです。
編集人は「保住映・早川義夫」となっています。

「わいせつ」容疑に対しては、まだ余裕が感じられます。
権力なんておちょくってやればいいという雰囲気。

1971年2月15日午後、大阪府警と曽根崎警察署の11名が大阪アート音楽出版を捜査。
わいせつ図画販売の容疑で、フォークリポート402冊、定期購読者名簿、URCチェーン店一覧表を押収。


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「季刊フォークリポート70冬の号」ワイセツ容疑箇所

p76 ジョンとヨーコの全裸写真(レコードジャケット)
p79-p91 フォーク小説
     「ふたりのラブジュース」(山寺和正)
p91 さし絵(ピカソ)
p101 さし絵(J.レノン)
p131 さし絵(ピカソ)
p146 さし絵(ピカソ)
p259 次号予告イラスト(中川五郎)
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おお、つまりジョン・レノンとパブロ・ピカソと中川五郎の三人が「わいせつ」だったんですね。
五郎さん、なんだかすごい!

マイナー手帖には、三ページにわたって「なぜ悪い」という座談会が掲載されています。
二つ目の小見出しが「密告者」。


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密告者

秦  ところで、なんでいまごろやったんだろうね。
早川  遅くない? おそいんだよね。
秦  まったくおそい。知らなかったのかな、高校の先生が通報したっていうけど……
早川  だからあまりにも女子高生がキャーキャーいうんで、その先生がすごく嫉妬したわけでしょ。
秦  きっともてない中年の男なんだよ。
中川  インポになりたての高校生活指導。
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わはは。


 →幻泉館日録:フォークリポート

 →幻泉館日録:わいせつ、もしくは公序良俗に反すると判断された表現

 →幻泉館日録:中津川フォークジャンボリー #2

 →幻泉館日録:25年目のおっぱい

 →幻泉館日録:フォークリポート「わいせつ」事件:ふたりのラブ・ジュース


9条を殺すな!

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