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タランチュラ #2 [ボブ・ディラン]

ボブ・ディランの"tarantula"をぱらぱらと眺めていて、これは小説ではないなと気づきました。
普通すぐに気づくわな。
断章に綴られた象徴詩。
何に似ているかというと、ディラン自身の一部の歌詞に似ています。

数寄者も多いようで、サイトにテキストをアップしている人が簡単に見つかります。

 →Tarantula

 →Tarantula

冒頭はわけがわからないので、第二章(のようなもの)に読み進んでみます。

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Having a Weird Drink with the Long Tall Stranger

back betty, black bready blam de lam! bloody had a baby blam de lam! hire the handicapped blam de lam! put him on the wheel blam de lam! burn him in the coffee blam de lam! cut him with a fish knife blam de lam! send him off to college & pet him with drumstick blam de lam! boil him in the cookbook blam de lam! fix him up an elephant blam de lam! sell him to the doctors blam de lam...
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なんだかドタバタした言葉遊びみたい。
やっぱり意味がわかりませんな。

少し前に片岡義男訳『タランチュラ』を借りることができたので、その部分の訳を抜き出してみましょう。

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背の高い他所者と奇怪な酒を飲む

バック・ベティ、ブラック・ブレディ、ブラム・デ・ラム! ブラディにはベイビーができたブラム・デ・ラム! 身体障害者を雇えブラム・デ・ラム! その男を車輪に乗せろブラム・デ・ラム! 彼をコーヒーの中で煮ろブラム・デ・ラム! 彼を魚包丁で切れブラム・デ・ラム! 彼を大学に送りドラムスティックでかわいがってやれブラム・デ・ラム! 彼を料理本の中でゆでろブラム・デ・ラム! 彼に象を料理してやれブラム・デ・ラム! 彼を医者たちに売ってしまえブラム・デ・ラム……
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「バック・ベティ、ブラック・ブレディ」
「彼をコーヒーの中で煮ろ」
「彼に象を料理してやれ」

この三ヵ所はちょっと違うんじゃないかと思います。
「ブラム・デ・ラム!」も、もう少しどうにかならなかったのかしら。
ま、いろいろな翻訳があって良いのですが、これ以外に「翻訳」がないという状態ではなあ。

訳者片岡義男さんによる「あとがき」の最初の部分を引用しておきましょう。

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 ボブ・ディランの『タランチュラ』は、難解である、とよく言われているが。けっしてそのようなことはない、という点についてのみ、すこし書いておこう。
 知的な好奇心に多少とも燃えていて、普通程度あるいはそれよりすこしましな教育をうけたアメリカ人ならば、ボブ・ディランのこれまでの活動や作品に関してほとんどなんの予備知識がなくても、『タランチュラ』は楽しく読みとおせるし、ボブ・ディランがなにを言っているのか、充分に聞くことができる。
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片岡さん、あなたの翻訳では、それは無理です。


9条を殺すな!

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Tarantula

Tarantula

  • 作者: Bob Dylan
  • 出版社/メーカー: HarperPerennial
  • 発売日: 2005/10/03
  • メディア: ペーパーバック



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