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絶望の虚妄なることは [書籍と雑誌]


 ♪ 雨があがって 日溜りの中 時は転がり続け
 ♪ 僕は又 ひとつ乗り遅れ 国道に立っていた

            加川良「あした天気になあれ」

保線区 2008年6月12日

魯迅の『野草』が読みたくなった。
こんな言葉があったはずだ。

「絶望の虚妄なることは正に希望と相同じい」

東京新聞6月12日付朝刊「こちら特報部」は、「秋葉原無差別殺傷事件」容疑者の勤務先ルポだ。

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 加藤容疑者は昨年十一月から勤務し、一日四百台の輸出用カローラの塗装点検を、八人一組で担当していた。一台を六十六秒で目視点検する。
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関東自動車工業富士工場(裾野市)での取材は、困難を極めたのではないだろうか。
鎌田慧さんの特別寄稿「自殺か殺人か ――派遣労働者の絶望――」に大きなスペースを割いている。

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 白昼夢のような秋葉原の惨事をテレビでみて、咄嗟に思い浮かんだのは、ちょうど四十年前、連続殺人事件を引き起こした永山則夫元死刑囚だった。彼もまた、加藤智大容疑者と同じ青森県津軽地方の出身者だった。
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永山則夫元死刑囚の死刑執行は、1997年8月。
その直前に起きた「酒鬼薔薇事件(神戸連続児童殺傷事件)」の犯人が少年だったことから、急遽執行されたのではないかと言われている。

秋葉原の加藤容疑者は「酒鬼薔薇聖斗」と同世代だが、それを利用して教育を思うがままに変えていこうとする動きが早くも現れている。

加藤容疑者の両親がテレビで謝罪会見を行なったそうだが、それは妙だ。
25歳の容疑者の責任を両親が取ることはできないし、その必要もない。

加藤容疑者が親の価値観にがんじがらめにされていたのだろうとは、想像できる。
そんなものさっさと捨てれば良いのに。
逆恨みの人生を送った責任は、もうただただ自分にあるだけだ。
親は関係ない。

むしろ職場が問題だ。
加藤容疑者の身辺情報を垂れ流すテレビ番組は、派遣労働や期間工のことをどれだけ取材しているのだろうか。

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 戦後の民主化のなかで、暴力団の資金源を絶つために禁じられた「口入れ稼業」や「労働者供給業」が、規制緩和策によって亡霊のように復活した。かつて私が「絶望工場」と名付けた労働現場の悲惨はさらに深まり、若者たちは何の保証もない移動を繰り返している。自己責任社会の中で、自殺か他殺か、その選択しかないほど追い詰められている。
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 →東京新聞:【社説】日雇い派遣 原則禁止に踏み切れ

 →月刊「記録」編集部:池内ひろ美氏の「期間工」差別を嗤う

 →幻泉館日録:自動車絶望工場


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自動車絶望工場―ある季節工の手記

野草

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