忘れ去られし時 CHRONICLES #349 [ボブ・ディラン『クロニクルズ』]
第5章の最後の段落です。
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On the record, I had to make spur of the moment decisions which might not have had anything to do with the real situation. That was all right, though.
このレコードでは、実際の状況とはまったく関係ないかもしれないその時々の決断を為さなければならないこともあった。でも、それで良かったのだ。
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これだけでは何のことかわかりませんが、例えばリズムはいくらでも変えることができたとかいています。
1小節の8ビートを6ビートや4ビートに、1拍目と3拍目を強くして2拍目は弱める。
誰かこんなところに注意して聴いてくれないかなともらしています。
そして、ラノワへの謝辞でこの章を締めくくっています。
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Danny and I would see each other again in ten years and we'd work together once more in a rootin' tootin' way. We'd make a record and start it all over, pick up where we left off.
ダニーと僕は十年後に再び出会い、そしてまた一緒にわくわくするような仕事をすることになる。まったくの最初からレコードを作り、立ち去った場所へ出ることになるのだ。
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ディランが再びラノワのプロデュースでアルバムを出すのは1997年のことです。
→bobdylan.com: Time Out Of Mind
と、いかにもわかったようなことを書いていますが、"Time Out Of Mind"がダニエル・ラノワのプロデュースだと、初めて知りました。
私はこのアルバムを3枚組みのセットで買いました。
なんと"Chronicles"を読み始めてから買ったのです。
"Oh Mercy"と"Time Out Of Mind"には似た印象を抱いたのですが、両方ともラノワの作り出した音なんですね。
私はこの音が好きですが、ディランの歌い方もあいまって、好き嫌いが分かれるアルバムかもしれません。
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