アントワーヌで晩餐を CHRONICLES #288 [ボブ・ディラン『クロニクルズ』]
二行空けて話が変わります。
ディランの家族が、
有名なアントワーヌで食事がしたいと言って、ニューオーリンズにやって来ます。
高級レストランなんですね。
私はまったく知りません。
こちらがオフィシャルサイト。
→Antonie's Restaurant Since 1840
おお、結婚式なんぞもやるんですな。
『アントワーヌで晩餐を(Dinner at Antoine's)』という本があるそうでして、そのタイトルからさらに『ブレナンで朝食を(Breakfast at Brennan's)』という宣伝文句まで生まれたんだそうです。
パクリですが、こちらのキャッチコピーの方が優れているように思います。
トルーマン・カポーティの、というよりオードリー・ヘップバーン主演の『ティファニーで朝食を(Breakfast at Tiffany's)』は、さらにこのパロディなんでしょうか。
これは原作派と映画派にはっきりファンが分かれるようですね。
さて、良きパパであるディランは、もちろん家族をアントワーヌに連れて行きます。
行きたくなかったそうですが。
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We had dinner in the backroom and I sat under a portrait of Princess Margaret in the same chair that supposedly Franklin Delano Roosevelt sat in.
僕たちは奥の部屋で晩餐をとったのだが、僕はマーガレット王女の肖像画の下、たぶんフランクリン・デラノ・ルーズベルトが座ったのと同じ椅子に座った。
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アメリカ合州国は建国してたかが230年ぐらいしか経っていないので、実に由緒あるレストランということなのでしょう。
マーガレット王女というのは、英国エリザベス女王(Queen Elizabeth II)の妹さんのことでしょうか。
2002年に脳卒中で亡くなったそうです。
1969年に来日しているようですが、これはまったく記憶にありません。
フランクリン・デラノ・ルーズベルトというのは、もちろん世界恐慌から第二次世界大戦という激動の時代に合州国大統領だった、あの人です。
さて、パパ・ディランはまだラノワのところで仕事があるので、タートルスープを頼んだだけなんだそうです。
タートルスープというのは食べたことがありませんが、「turtle」だから海亀ですね。
背甲と腹甲が主食材なんだそうで、これは意外です。
なんとなくスッポンのコンソメを想像していたのです。
ディランは一人だけ先に店を出ます。
外は雷雨だったけれど、直接店を見ることができて嬉しかったと書いています。
ただいまp.193です。
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