SSブログ

かごの鳥ブルース [音楽]


高石友也さんのレコードを初めて買ったのは、いつのことだったろうか。
「受験生ブルース」や「想い出の赤いヤッケ」が聴きたくて、『受験生ブルース 高石友也 フォークアルバム第2集』という、お得なライブ盤を買ったのだ。
もう80年代になっていたのかもしれない。

その後、やはり廉価版のCDで買いなおして、ついでにもう一枚、『想い出の赤いヤッケ 高石友也 フォークアルバム第1集』も買った。
これは90年代だ。
同じアルバムをLPで買って、それからCDで買いなおしたのが十年そこそこだったというのは意外だ。
もっとずっと長い時間が経っていたような気がする。

『第1集』の曲はすずききよしから、マルビナ・レイノルズ、ピート・シーガー、谷川俊太郎&武満徹と、まあ実にいろいろ。
CDのボーナストラックには添田唖蝉坊まで入ってる。
高石さんはあまり曲作りに参加していないのだ。
いや、『第2集』の方でも、高石さんの作詞作曲はほとんどない。
当時はレコード作りがそういうものであったのだろうし、歌手高石友也という活動だったのだろう。

 ♪ 学校で何を習ったの
 ♪ 可愛いおちびちゃん

トム・パクストンの皮肉な曲「学校で何を習ったの」がおかしい。

 ♪ ワシントンは嘘はつかないと
 ♪ 兵隊はめったに死なないものと
 ♪ 誰も 彼もが自由だと

先生、嘘ばっかり教えてはいけませんね。
おもしろうて、やがて悲しき、です。

「チューインガム一つ」は高石さんの作曲なのだが、岡林信康「チューリップのアップリケ」の元歌ではないかというほど、曲調が似ている。
歌詞は村井安子さん。
そう、灰谷健次郎さん『私の出会った子どもたち』の中に出てくる子供の詩である。
チューインガム一つ万引きして捕まった子供が、先生と一緒に泣きながら絞り出した言葉だ。

 ♪ おそうに家にかえって 魚みたいに
 ♪ お母ちゃんにあやまってん
 ♪ お母ちゃんは私の顔を見て
 ♪ 泣いてばっかりいる 私はどうして
 ♪ あんな悪いことしたんやろ
 ♪ もう二日もたっているのに
 ♪ お母ちゃんはまだ淋しそうに泣いている
 ♪ 先生 どないしょう

「かごの鳥ブルース」は歌手高石友也のデビュー曲なのだが、これがよくわからない。
非常に古風な歌謡曲といった印象なのである。
「作詩=水島哲 作曲=不祥」となっているので、何かいわく付きの歌なのだろうか。

 ♪ かごの鳥でも 翼があれば
 ♪ 飛んでゆきたい 青い空
 ♪ それもかなわぬ わたしゆえ
 ♪ ああ 涙もかれて かごの中

そういえば先日、見たくもないのにネット右翼のようなブログに遭遇してしまった。
選挙区は自民党、比例区は民主党に投票したと嬉しそうに書いている。
踊らされているのに、主体的に選んだつもりになってるんだなあ。
自分の入っている鳥かごが見えないんだ。
鳥かごの中の自由なんて、あたしゃごめんだね。

想い出の赤いヤッケ
『想い出の赤いヤッケ
 高石友也 フォークアルバム第1集』
       オリジナル発売1967年
1. 想い出の赤いヤッケ
2. 明日は知れない
3. 白い傘
4. 生きのこり
5. 俺らの空は鉄板だ
6. かごの鳥ブルース
7. 一人の手
8. 冷たい雨
9. 小さな箱
10. 死んだ女の子
11. 学校で何を習ったの
12. 死んだ男の残したものは
13. チューインガム1つ
----- CD版ボーナス・トラック
14. かごの鳥ブルース(シングル・ヴァージョン)
15. 恋のノンキ節
16. 想い出の赤いヤッケ(シングル・ヴァージョン)
17. 白い傘(同)

BlogPet
幻泉館 リンク用バナー


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。